第10話 中学時代

 中学時代って皆さんどんなことしてましたか?私は黒歴史してました。あとついでに部活も。あの頃は何でもやってたなぁなんて若かりし頃の自分をふと思い出しまして。そういえば内田君の中学時代はどんなだったのかなと想像してみたんですが、不思議過ぎて何でも有り得てしまうんですよ。ほら、彼は人生そのものが黒歴史みたいな人ですからね。おっとこれ以上は悪口になってしまいますね。今回はそんな内田君が中学の初っ端から伝説を作り上げていた話をしましょう。


「はーいでは皆さん、今配った紙に入りたい部活を記入してくださーい。部活に入りたくないよって人は書かなくてもいいからねー」

「「はーい!」」

これはまあ、中学に入ったばかりの時にはだいたいすると思います。少なくとも私の学校ではやってましたし、当然ながら内田君もやっています。ここから伝説が作られていくのですよ。

 スッと皆がどの部活に入るかという話で教室が賑やかになるなか、一人静かに手を挙げたのは当時13歳の内田君。

「あら、内田君。どうしたの、質問?」

と先生が問うと、ゆっくりと口を開け、


「先生俺、鬼ごっこ部がいいです!」


と勢いよく声高に宣言しました。

 クラスの賑やかな雰囲気はあっという間にざわめきへと変化しました。

 鬼ごっこ部なんて、そもそも部活紹介にも出てこなかったのですから、あるわけがないのです。先生も困った様子で「う、内田君?そんな部活はないのよ?」

 誰でしょう、クスッと笑った不届き者がいて、瞬く間に内田君は笑いものになってしまいました。


 これが、伝説の始まりだと言われています。それ以前の文献や資料は残念ながら描かれていません。

 ここから安定な宇宙人軌道を描いて今に至るのは想像に堅くありませんね。こうして内田君の過去見てると自分の黒歴史が可愛か見えてきます。


 ……………いやそれはないか。

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