機動鎧装RR 銀鎧のアイ

紅葉紅葉

序章:未来/希望に繋がる

 西暦2443年。十一年前の海賊戦争が契機に世界機構は変化が伴った。世界機構は保持していた軍事技術を国家間に継承し、国家による軍事的国家防衛を復活させた。その上に立つのが電子管理機関となった世界機構である。この名前もいずれ変更がされるだろう。世界を作り上げた存在は、今度は世界を動かす存在へとシフトしたのだ。

 国家に継承された技術を使い、人はギアスーツの技術を各々に発展させていく。これまで一つに管理されていた技術は多岐に渡って進化し、生物の進化図のように様々に分岐していく。それは果たして進化なのか、暴走なのか――――世界の行く末を知る者はいない。

 だが、希望はある。それは未来を切り開こうとする少年少女達。今日も学び舎で自分達の進む道のために、彼らは自分を見つめ直す。


「未来を作り出すのは子供達だ……だからこそ、俺達は彼らに伝える」


 世界の在り方を。これからを。そして人間の本質を。

 争いは無くならない。それでも、誰かが世界を変えようと思うのであればいずれ世界は変わるだろう。

 永遠を生きる者は、世界の希望を語る。未来を見据えた彼を、彼女は微笑みながら返す。


「そうですね。私達が彼らに伝えて……彼らが子供達に伝えて……いずれ、いずれ――――」


 それは途方もない話。世界を見つめる少女はそんな永久に続く希望を語る。

 伝える。希望を伝える。未来へ伝える。

 彼らは信じている。人を、人類を、生命を。

 西暦2443年。後の世の人間は地球次世期と呼ぶ。歩兵標準兵装であり、機動鎧装とも呼ばれるギアスーツ、その分岐進化期であり、世界変動期とも呼ばれるこの時代。永遠を生きる者は、銀鎧を纏う人である少女に出会う――――

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