nuovo secolo

求める勇気はない(BL)

(サーガ×セティ)


「ネローっ!」


「おっす」


「なぁんだサーガかよ~」


「なぁんだじゃねえよ」


「ネロは~?」


アウルヴァングのブリーフィングルームにズカズカと入り込むセティ。

毎度の事ながら、スニーカーの分厚いソールの音と銃器の音がうるさい。

ていうか全体的にうるさい。見た目とか


「先輩なら王子のところだ」


「えーっ、またあ?」


王子サマばっかりー、と口を尖らせるセティ。

空いてる椅子に座ってクルクルと回っている。


コイツと先輩は幼なじみらしい。

こんなアホみたいな奴が二年前に先輩を捜してアスガルズ中を走り回っていたと聞いたときは流石に驚いた。

それと同時に、堪らなく心配した。


「お前さ、」


「なあにー?」


「…先輩の為なら、命 懸けるか?」


「もちろん!」


「…………そうか」


コイツが無鉄砲なのは知っている。

いつもいつも後先考えずに突っ走って、立ち向かってく。

そういうとこは尊敬するが、

少しは自分の事も考えてほしい。


コイツはいつも前ばかり見て、

俺の横をすり抜けて、


やがて、手の届かない場所へ、消えてしまう気がする。


「それなら良いけどよ、お前のことを気にかけてる奴も居ること、忘れるな」


「なぁに~心配してくれるの~?優しいねえサーガは」


「…んなわけねぇだろ」  


「ねえ、サーガ」


「あ?」


「…頼りにしてるよ」


「…………………馬鹿」



いつもとは違う真剣な笑みを浮かべるセティをひとり残して、

俺は足早にブリーフィングルームを出る。


窓の外に広がるのは美しいアスガルズの夜景。


今日の夕飯はどうしようか、

そんなことを考えながら、俺は寮への帰路をひとり歩いた。



(終)


つんでれサーガ

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