第7話 アント猛襲!

[女王様!話を聞いてくださいッ!]


[黙れッ!害敵に捕まりホイホイと言葉に乗せられて王国の場所を明かすなど言語道断!一介の兵士長ごときが出過ぎたマネを!]


 後ろ手を鎖に繋がれたアンドリューは必死に女王に懇願していたが、それはがんとして受けいられなかった。


[女王様!兵士達の配備が完了致しました!外には子供のエレファントとピンキーモンキーが格闘演習をしています!]


[やはり~ッ!すぐに始末しろッ!幸いエレファントは子供が一人!総力で掛かれば怖いものはないッ!]


[ハハァッ!]


[待てッ!待ってくれッ!二人は“友達”なんだッ!]


[この~!今後におよんで~ッ!我が王国が滅んだらどうするのだ!]


[女王様!女王様のお気持ちはもっともです!しかし、私の目には彼らが悪気があってのことではないと映るのですッ!]


[そうやって何人の兵士達が命を犠牲にしたのかわかっておるのかッ!余は国民の命を守らなければならぬのだッ!]


[わかっております!わかっておりますともッ!その為に彼らをここに連れて来たのですッ!]


[ええぃッ!らちがあかんッ!この者を地下牢に繋いでおけッ!]


[女王様!女王様ァッ!]


 女王の間にアンドリューの声がこだました。


 外ではみーなとゴンスがまだプリクゥアごっこに明け暮れていた。


「ラ~ブ・ピーチアタァッックッ!」※おしりをフリフリしたヒップアタック。


『うぎゃぁ~ッ!やられたでゴンス~ッ!』


「ふふふ…なかなかやられ方上手くなったね!次ゴンスプリクゥアやっていいよ!」


『やったでゴンス~!』


 その途端、地響きが<ドドドド…!>と鳴り、ゴンスの座っている地面がモリモリと膨らんできた!


「危ない!ゴンス!」


 みーなはとっさに目に見えないほどのスピードでゴンスを抱き上げその場をダッシュで走り去る!


<ドッカーン!>


 真っ黒いアントの大群が黒い火山のように地面から吹き上げてきた!そしてそのままみーなとゴンスに向かって怒涛のように追い掛けてくる!


<ドドドドドドドド…!>


「なーにーあーれーッ!!」


『“アント”の大群でゴンスッ!巣に危険がせまると猛攻撃してくるでゴンスッ!!』


「えーッ!アンドリューはーッ!」


<コケッ!ズササーッ!>


「いったーいっ!」


『まずいでゴンスッ!アントに飲み込まれるでゴンスッ!』


「みーな様ァ!飛んでくださいッ!!」


<ダダダダダダ…!!>

 町の方からブロインが猛ダッシュで駆けてきた!


「えー!飛ぶー!?」

「早くッ!」

「えッ!とぅッ!」

「てぇやッ!」

<ドヒュンッ!!>


 みーなとブロインが同時にジャンプする!


 地上5mの高さに飛ぶみーな!

 そこに目掛けてブロインがロケットのように飛ぶ!


「みーな様!“ログオン!”」

<ウイィィンッ!>

 途端にブロインの背中が開く!みーなとブロインの背中が光の糸で繋がれた瞬間!

<シュパピィーンッ!!>

空に一つ閃光が放たれた。


<シュタン!>


 地面に降り立つブロイン。


「ゴンス!後ろにいて!」


 おっさんの野太い声でブロインが叫ぶ!


『あれ?みーなでゴンスか…!?ムリでゴンス!逃げるでゴンス!』


「安心して!ブロインのイディアパワーは53万よ!!」


<ドドドドドドドド!!>


 目の前にはすでに怒涛のようなアントの群れがすぐそこまで押し迫っていた!





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