第42話

 トロールが歩いてくる。


 もう目の前だ。


「いっくよー」


 マヤさんはスクロールを読みはじめる。


 俺はステータスを確認する。


 ヤキソバ LV一三  HP三〇三〇 BP二〇三〇

 テッシ  LV一三  HP二六四〇 BP一九七〇

 カゲヤマ LV一四  HP三〇〇〇 BP二〇〇〇

 マヤ   LV 二  HP 四六〇 BP 一八〇


 二本のきのぼうを、俺とテッシちゃんに向かって同時にふりおろす。


「えっ!」


 テッシちゃんは、おどろきの声をあげる。


「二枚おろし!」


「ぶ、ブランクキャンセル、ぶっ叩きデス!」


「ブランクキャンセル、減退の呪符じゃ」


 俺のBPが一〇〇〇、テッシのBPが四〇〇上昇。


 そして、敵のBPが五〇〇減少する。


「ダブルノック キャンセルスキル

 BP+零 2ヵ所に同時攻撃 なの」


 俺の攻撃は弾かれ 一〇二八ダメージ


 テッシの攻撃も弾かれ 一二五〇ダメージ


 敵はノックバックで、一レンジふっとぶ


「おいおい、ヤバいだろこれ」


「わしから回復するぞ」


「わかりましたデス!」


「ブランクキャンセル、治癒の護符、テッシ殿じゃ」


「ブランクキャンセル、ブレイブヒール、ヤキソバさんデス」


 テッシは  三二二回復。


 ヤキソバは 六〇三回復。


 トロール LV六五  HP八七〇五/九〇〇〇 BP五〇〇〇

 ヤキソバ LV一三  HP二六〇五/三〇三〇 BP二〇三〇

 テッシ  LV一三  HP一七一二/二六四〇 BP一九七〇

 カゲヤマ LV一四  HP三〇〇〇/三〇〇〇 BP二〇〇〇

 マヤ   LV 二  HP 四六〇/ 四六〇 BP 一八〇


「連続攻撃はないようだね」


「みたいデスね。少なくとも、あの距離からは連続こうげきはないようです」


「二人で攻撃をうけるのは得策じゃない。テッシちゃんは下がって後ろで援護してくれない? 俺が攻撃をうけてから、トロールをノックバックをさせて」


「わかったデス」


 テッシちゃんは少しさがる。


 トロールは近づいてくる。


 敵は木のぼうをふり上げ――、二本の木のぼうをあわせて両手でもち――、あれ?


「二枚おろし!」


 俺はトロールのフルスイングを、体の左側から剣でうけた。


「ブランクキャンセル、減退の呪符じゃ」


 雷光がはじけ、俺は右側に、かなりの距離をふっとばされる。


「いってーな」


「ブランクキャンセル、ブレイブヒール、ヤキソバさんデス――、そしてブランクキャンセル、ぶっ叩き!」


 俺のもとに、回復の光がまとわりつく。


 トロールにBPアップからの、ぶっ叩きコンボがはいる。


 なんだよ今の攻撃は。


「トロールのダブルノック

 BP+五〇〇〇 ノックバック、左に四レンジ なの」


 マジかよ。


 すげえ威力だな。


 俺はHPを確認する。


 トロールに  二九五ダメージ。

 ヤキソバに 四八三〇ダメージ。


 トロール LV六五  HP八七〇五/九〇〇〇 BP五〇〇〇

 ヤキソバ LV一三  HP   〇/三〇三〇 BP二〇三〇

 テッシ  LV一三  HP一七一二/二六四〇 BP一九七〇

 カゲヤマ LV一四  HP三〇〇〇/三〇〇〇 BP二〇〇〇

 マヤ   LV 二  HP 四六〇/ 四六〇 BP 一八〇


 えっ。


 HPゼロじゃねえか俺。


「――、燃えさからんことを! うてるよー」


「かんつうですので、そのままうって下さい! 今はパーティなので、わたしは攻撃をうけないデス!」


「はーい、パイロフレイム!」


 円柱のほのおが、トロールをおそう。


 トロールに五三二〇ダメージ。


「あれー? たおせない。ねずみはあんなに、ダメージくらったのに」


「ダメージは、相手のBPで減少するんですよ!」


「へー、そうなの?」


 知らないのかよ!


 スクロールとか使ってるから、てっきりくわしいのかと。


 トロールは、木のぼうをふりかぶり――。


「えっ? なんだ?」


 そのまま、ぼうをマヤに投げつけた。


「いったーい。なにー?」


 トロール LV六五  HP三三八五/九〇〇〇 BP五〇〇〇

 ヤキソバ LV一三  HP   〇/三〇三〇 BP二〇三〇

 テッシ  LV一三  HP一七一二/二六四〇 BP一九七〇

 カゲヤマ LV一四  HP三〇〇〇/三〇〇〇 BP二〇〇〇

 マヤ   LV 二  HP   〇/ 四六〇 BP 一八〇


 えっ、おいおいおいおい。


「なんか立てないんだけど……? こしが抜けちゃったかな?」


「まずいのう……、まずいのう……」

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