ファンタジーとミステリのいいとこ取り

探偵を目指す少年の成長物語ではあるものの、そこにファンタジーな要素も取り入れられています。
ミステリ初心者だけでなく、これまでファンタジーを多く読んできた人にも好まれる作品です。
もちろん、法廷ものや推理バトルを好むミステリ好きにとっても、面白いと言える作品だと思います。

相変わらずの高い文章力と世界観の創造は玄人はだしです。
流れるような展開で、読む手を止まらせること無く最後まで導いてくれます。
尊敬する父の不在という少し暗めの設定なのにも関わらず、登場人物たちの掛け合いがそれをグッとライトな感じにしているのも魅力的です。

「物語は始まったばかり」という印象が強く、読了後はどうしても続きが気になりますね。
これで終わりとせず、是非続きが読みたいと思います。

そして、これは私だけかもしれませんが「探偵を育成する学校と、そこを卒業し社会で活躍する名探偵」というシチュエーションのせいか、登場人物の名前に妙に反応してしまったりして・・・。

そういう意味でも、二重に楽しめました。

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