第36話-002の異質な力
中村 椿はサンプル002の異質な力を現実に体感した。
自分の意思とは相違なく行動したつもりだが、後から冷静になって考えてみれば違うのだ。
しかし、この力こそ、中村 椿が最も欲しかった力であり…この研究会の目的そのものであった。
若宮トオルの娘は、能力を発現していたはずだ。
どのような形で封じてあるのかはわからないが、そんな事は娘を手に入れてから考えれば良いのだ。
若宮トオルが執拗にデータを破壊して行ったために、サンプル002を再現することはできない。
中村 椿は、唯一残っていた…サンプル003を自らに投薬する事にした。
サンプル003は、自らと、それに触れている物を透過する能力。
ただし致命的な弱点がある。
能力というのは、使用者の深層心理に作用し発現し、相手の深層心理に作用し効果を発揮する物だ。
つまり、監視カメラやビデオカメラなど、電子機器によって機械的に映像に映し出される物に対しては、効果はない。
中村椿は、もう一つの懸念があった。
サンプル002だけでなく、やはりサンプル001も実験には成功していて、我々が気付かなかった何らかの能力を開花させているのではないだろうか?
全ての手駒を失った中村椿は、手始めに サンプル001の経過観察を行っている研究施設を襲撃する事にした。
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