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「何かって、何だよ…」
「例えば、里未さんが僕の側にいることを不満に思っている。とか、僕が里未さんを無理やり側に居させてる。とか、僕が里未さんの悪影響になってる。とか、そういう類いのことだよ。おや…その顔、図星かな」
「っ…!だって、そうだろ!?選べとか!強制してんだろうが!」
何でこういちいちイラつくんだ。
「はは…心配なんだ?キミ。里未さんのことが。あぁ、もしかして里未さんのことが好きなのかな?」
カッと顔が熱くなる。
「そ、そんなわけねぇだろ!!誰がおんな女!」
そんなはず、ない…。だって、俺はあいつを…。
「まぁ…キミが彼女をどう思っていようが僕には関係ないけどね。むしろ、僕は彼女を気に入ってる。その僕が彼女を殺すわけがない」
「は…?」
それってどういう意味…。
「里未さんは変わった人だね。自分の意思でここに居ることを選んだんだ。彼女の真意は僕ですら読めないよ」
「なっ!?嘘…言うなよ…」
ニヤリと口角が上がって悪い顔になる。
「信じる、信じないは…君しだいだよね?」
信じろって方が難しいだろが…。俺が本当に知りたいことを桐生は分かっていてあえてそれを教えないような気がしてくる。
「1つ、僕から言えることがあるなら…僕はこの世で1番嘘が大嫌いだよ」
じゃあ、さっきのことも事実…。
居心地の悪い空間に足音が聞こえて、キッチンから間宮が出てきた。
「卓人くん、出来たけど食べる?」
テーブルに食事を並べていく。
「ありがとう。いつもごめんね。料理はあまり得意じゃなくて…」
「私が好きでやってるんだから。ただ、居るより役に立つことする方が有意義だよ」
「ほら、君も席ついて。せっかく里未さんが作ってくれてるんだから」
そういえば…気が張って忘れてたけど、お腹空いてるかも。しぶしぶ二人について行った。
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