輪廻転生その他もろもろ

デザート兄貴

第1話 つまるところプロローグ

俺の名前は「白井しらい 啓介けいすけ」見た目は平々凡々、ただし先天性の病気で髪の毛が白い。そのせいで小学校のころは「シロ」なんてあだ名をつけられていじめられていたりもしたが、同じクラスの「黒田くろだ 一輝かずき」がいじめていた子たちに「一言言って」くれた。その時、俺に言ってくれたセリフを今でも鮮明に思い出せる。


「お前がシロなら、俺はクロだ!クロって呼んでくれよな!」


そのとき、その言葉にどれだけ救われたことか。彼の言葉で、「シロ」と呼ばれることが誇らしくなった。高校生となる今でも、彼とは付き合いがある。


そう、今日は入学式。長い校長の話を終え、廊下に張り出されているクラス分けを、クロと見に行く。


俺は7組だ、クロは?


「俺?俺も7組だぜ」


どうやら同じのようだ。友達がいるのは心強い。クラスにいるといないとでは全く違うらしいからな。


「お前もか、やったな!一緒に教室に行こうぜ」


クロからの提案に頷き、校舎に入った。


―――――――


「私があなたたちの担任を務めます、白鳥しらとり 来霊きれいと言います。なんだか嫌な名前だけど、一年間よろしくね」


そう黒板に名前を書いて自己紹介したのはこのクラスの担任らしい、綺麗系美人の黒髪ロング、白鳥先生である。


「あとこちらが副担任で、英語の授業を担当しているパトフ・ハイフ先生よ」

「あ~、一年間よろしく~」


気だるげにそう答えたのは金髪を肩で切りそろえた可愛い系の、ハイフ先生である。

あの先生は見覚えがある…いや、もはや見すぎて慣れた。


「なあ、シロ」


運よく隣の席だったクロが話しかけてきた。言い忘れていたが俺はよく「シロ」と呼ばれる。

              

「あのハイフって先生、絶対にだよな?」

      

間違いない、だ。

      

この世界の、だ―――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る