心理学に基づいた緻密なミステリー

うおお……。
最後の一文にゾクッとしたぁ……。

心理学に基づいた、緻密なミステリー。
織田先生の作品は、本当に緻密に出来ている。
本格好きにも愛される作品だと思う。

個性的な登場人物の中で繰り広げられる、陰惨な事件。
語りは自他共に認める、超ブラコンの妹・泪。
甘えた口調で語られるため、事件のインパクトはかなりの衝撃がある。

そして、最も曲者だと思うのは安楽椅子探偵の兄・涙。
兄妹の掛け合いは微笑ましく、一見すると『あるある』が口癖の純粋な少年に見える。
けれど、一歩引いた目で見ると妹の扱いに長けていて、事件の終末に語られる彼の推論には毎回背筋が凍るような思いをする。

甘さと辛さがミックスされたバランスの取れた作品。
そして、最後の最後まで読み手を掴んで離さない展開。

これは、二度読みからが絶対に面白い!

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