第28話 ITとはなんだ

みんな、驚くほどITに関心がない。

エラーが表示されていても、そのエラーの内容をちゃんと読んでいない。

パスワードが何だったのか、覚えちゃいない。

パスワード分からなかった時の対処法について、確認しようとしない。

そんなお客様ばかりだった。

むしろ、会員証もしくはクーポンを出してくださいとお願いして、スムーズに出て来た記憶がほとんどない。

まあ、わたしが働いていた地域がファミリー層ばかりで、ITが得意そうなお客様が少なそうだった...という特性が関係しているのかもしれないが。


ともあれ、こんなにも情報化社会と言われているのに、なぜ、みんなそんなにまでITに関心がないんだろう?

使いこなせれば、こんなにも楽しいものは他にないし、こんなにも便利なものは他にないと思うのに、なぜなんだろう?

それぞれ理由は違うのかもしれないけど、働いてこんな声が聞こえてきた。

めんどくさい。

よく分からない。

難しすぎる。

とりあえず、その職場でそんなお客様の対応をしていて気づいたのは、世の中の多くの人はITを理解しようという気がない、ということだった。

確かに、分からないままでも生きていけるし、なんとかなるしな。


しかし、今後はますますITリテラシーが要求される世の中になっていくことは間違いない。

その波は気づかないだけで、じわじわ押し寄せているのだ。


そんな時、ふと気づいた。

そうか、これだったのか、わたしがやるべきことは。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る