先生

みさきしゃん!しゅごいでしゅよ!今朝ギルドで会議があったんでしゅが!そこでみさきしゃんがBランクからシュタートする事になったんですよ!ギルドとしても異例なんでしゅ!」



うん、マリさん今日も噛み噛みだ。

今俺達はギルドに来ている、まずは宿であったことを説明したい。





「私、というか美咲は解離性同一性障害、つまり多重人格者だ。美咲んちは父親がまぁ再婚した義理の父親なんだけどな、そいつのDVが酷くて結果、私が生まれた。今はなんというかまぁ眠ってるよ」


驚いた。先生が多重人格だったってことは


「他にも人格はいるの?」


そう、他にも人格が居るかが気になった。


「いんや、幸いと言っていいか分からないけど私だけだ。美咲からは双葉って呼ばれてるから、九条もそう呼んでくれ。」


なんか先生の顔でこの口調だと調子が狂うというか。


「取り敢えず、美咲はまだ起きないと思うからクエスト?だっけかに行かね?」



という訳でギルドにきている。


というか先生Bランクか、上から3番目か、すごいな。


「で、マリ。コイツが最短でBランクになるにはどうしたらいいんだ?」


と俺を指しながら双葉さんが言った


「あれ?美咲さん昨日と雰囲気が...?あ、海兎くんが最短でBランクになるにはですね?多少危険ですが一番早いのは討伐クエストを沢山するのがいいでしゅ。」



「ふーん、じゃあ。Eランクで倒していいのってスライムだけじゃんか?何体倒せばDになれるんだ?」


Eランクで倒していいのはスライムだけなのだ。

魔物には等級というものがあって1〜10まであって。

スライムは1に含まれる、というか1なのはスライムだけ。

Eランクとは冒険者なりたてで、2級の魔物は危険だから、危なくないスライムだけらしい。


ときどき俺はすごいんだー的なやつがいて2級であるゴブリンに挑んで帰ってこないらしい。


ゴブリンは他種族姦をする種族でオスは女性、メスは男性を狙って襲うらしい。


等級はどれだけ人類に驚異であるかが級になるらしい。

ゴブリンは繁殖力が強く一体での級は2であるが団体、ゴブリンの巣になると級は一気に5まで跳ね上がる。

集団では強く、ゴブリンに攻められて滅んだ小国があるほどらしい。

時に、ゴブリンの上位種ゴブリンキングが出て、最低でもBランク5人でのパーティーが3つ必要らしい。


ちなみにSランクだと1人で倒すらしい。


「みさきしゃんは階級的にはBランクだが実力的にはSランクレベルだから大丈夫でしゅよ」

って言ってたから大丈夫でしょ


今はスライムを討伐するために門をでなくては行けないため俺達が入ってきた方とは逆の方向の門に向かって歩いている


至って普通にでれた。

カード見せて終わった。


そこには草原が広がっていた。

空もすんでいて、日本では見れないかもしれないような光景だった。


もう少し奥に行くともっと等級の高い魔物が沢山いる森があるらしい。マリさんには絶対に入るなと言われてる



少し歩いたらスライムがいた、ぴょんぴょん跳ねて移動していた。


「九条。いたぞ、さっさと倒してBランクにあがれ」


と言われたので慌てて弓を構える


自作の弓ではなく、ギルドで支給された、木の棒で作った感じのやつで矢は50本貰った。

だが、木の削り方から分かる。ちゃんとそういった事を仕事をしている人が削ったのだろう。

俺が作ったのなんかより全然持ちやすかった。


弓を構え、矢を弦に引っ掛けスライムに向けて引いた


ザシュッと音がしてスライムに突き刺さった。

確かに刺さったのだが消滅してはいない。

魔物には魔核というものがあり、それを破壊しないと死なないらしい。

ちなみに討伐した魔物のデータはギルドカードに記載されるらしい。


教えて貰った場所に矢を打ち込めたと思ったんだけどな

少しズレてたのかな。


よし、次は『鷹の目Lv2』を発動させてっと


視界が凄くくっきりと映る。

スライムの方を見ると...ん?


さっき矢を当てた場所より2センチ程上に丸い何かがある、少しもやがかかってみえるけど

あれ、もしかしたら魔核?かな


取り敢えず狙うか


弓を構えて

ザシュッとなっ!


ぱぁんという感じに消滅・・した。


そう消滅したのだ。倒れたのではなく消滅だ。


先生が蜘蛛を倒した時は消滅したのではなく、倒れていたのに。

どういうことなのだろうか


その時はまだ知らなかった。

その事がどれだけ異質なのか

黒魔法がどういう魔法なのか



「初めてにしてはよくやったじゃん。さぁ後29体。」


そう、俺がEランクからDランクに上がるには30体のスライムの討伐が必要だった。





はぁ、疲れた。

あの後しっかり、30体を倒してギルドに帰ったら


「まさか1日でこんなに倒してくりゅなんて、普通は1週間はかかってからDランクにランクアップでしゅよ!スライムは倒すのが簡単でも核の場所が個体によっては少しずつズレてたりするんですよ、だから慣れるまで大変なのに、お疲れ様でした!これで海兎くんはDランクにランクアップでしゅ!」


ってなってDランクになってクエストの報酬で銅貨10枚もらった。


つまり1万?ぐらいを手にした。


初の給料で、ギルドに付いている酒場で飯を食べていた。


双葉さんはカルボナーラまがいの食べ物を食べながら


「あ、起きた。じゃあまたな 九条。」


と言うと頭が勢いよく下に下がった。

そして先生が頭を上げると先生だった。


「おはようございます、先生」


「ええ、おはようございます九条くん。双葉が迷惑を掛けませんでしたか?」


と焦った顔で先生が聞いてくる


「はい、すごく助かりました。」


「すみません、ほぼ1日中寝てしまっていて。」


「一つ気になるんですけど、双葉さんと人格が入れ替わると双葉さんって寝てるんですか?」


「なわけあるか。起きてる、美咲は本当に寝てたんだよ、美咲は一度眠るとなかなか起きないからいつもは私が起こしてんの。」


いきなり、双葉さんがでてきた。


「なっ、双葉!何を言ってるんですか!?それは言わない約束でしょ!」


今度は先生が。


「九条が美咲みたいな大寝坊と一緒にしたのが行けないんだから、文句なら九条に言えよ。」


1人で2役やってる落語家にしか見えない。


「それに双葉だって寝相悪いじゃないですか!私と入れ替わって寝た時玄関で寝てたじゃないですか!」


「はっ!?何を言ってんだよ!だいたいお前だって寝てるとどんどん服脱いでいくじゃねぇか、朝起きたらパンツ1丁なんてよくあるじゃん!」


どんどん恥ずかしいこと暴露大会になっていってる。

というか朝起きて双葉さんじゃなかったら先生パンツ1丁になってたかもしれないのか。

よかった。


「二人とも仲いいんですね...」

と俺が言ったら


「「仲良くない!」」


声はかぶって聞こえたりはしないが2人一緒に言ったんだろう。だって顔が必死だもん。


「それに美咲はパンツ。くまさんだもんな、九条の前で見せられないもんな!」


く、くまさんだとっ!?


「な、な、な、な!何言ってるんですかぁあ!海兎くんのまえでぇ!」


「今、海兎って...呼んでましたよね?」


「あ、す、すみません。」


くまさんの方が衝撃はデカイが今は海兎くんのほうが重要だ


「なんで、謝るんですか。むしろ海兎って呼んでもらって嬉しいですよ。ほら俺、孤児だから海兎って呼んでくれるのシスターさんぐらいですから」


「え、いいんですか?海兎くんって呼んでも。」


「呼んでくれてすごく嬉しいです。」


シスターさん、地球で何してるんだろうな。



その後は2人でご飯を平らげ、部屋に戻った。

先生は少し用事があると外に行ってしまった。


部屋にはお湯につかったタオルがタライにはいって置いてあった。


お風呂は貴族とか王族しか使えないらしい。

だからタオルがセルフサービスでくる。

これで、体をふけってこと。


体を拭き終わりベッドに入ると、そのまま眠りについた。


その頃、先生は。



海兎に名前を呼んでもいいと言われた美咲は少しやばい喜びを見せていた。


「うふ...ふふ」



その時、美咲を見た通行人は皆少し距離をとった。

コイツはヤバイ。


そう感じた通行人の気も知らずに美咲は嬉しすぎてスキップを取り始めた。


そうして、街から人気のない場所に移動した美咲は


「海兎くん海兎くん海兎くん海兎くん海兎くん!」


と吠えたのであった。



ちなみに後日討伐隊が用意されるほどの事態になったことはまた別の話。


それと人気のない場所に来た女をゲへへって感じに強姦しようとしていた盗賊の下っ端も、吠える美咲をみてこの街は襲っちゃいけないとボスに伝えに走って逃げたのはいつか話されるかもしれない話。

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