ブルー・エトランゼ~瑠璃色の花が結ぶ「家族の記憶」

 無事Project ANIMAのSFロボットアニメ部門への応募も済ませ、はや一ヶ月。選考中の只中にある拙作『幻影-まぼろし-のルミナス』の次展開なども胸の中で密かに温めつつ(ほぼ同時進行で些か停滞中ダメじゃん;;な占星音楽も)、なぜかある日のtwitter呟きhttps://twitter.com/i/moments/995673297936302080にて思い出した、とある大昔の別作品の創作ストーリーの存在。


 作品名は『ブルー・エトランゼ(エトランジェ?)』。「キャンディ・キャンディ」など、その昔の名作大河アニメ風のよくあるジブリ原作っぽい作品で、内容的には「生き別れの父の生み出した特殊な品種の幻の青い花と、その父の行方を追って旅をする少女の物語」という(花の子ルンルンじゃないが)いかにもありがちなものですが(笑)この作品を最初に思いついたのが中学3年くらいの頃で、ちょうど「ナウシカ」や「シュナの旅」などで宮崎作品に激しくハマり始めていた時期でした。


 実は大元の切っ掛けは、その頃(’83)とあるアイドル歌手の同名タイトル曲(河上幸恵『ブルー・エトランゼ』)を聴いて。異人館や外国船などが出てくる歌詞の世界観を、主人公の少女「(仮)安藤ルカ」の住む異国情緒あふれる港町として、そのままイメージ。その当時は文字通り曲を聴いたイメージからナウシカまんまの宮崎アニメ風イラストに、ちょっとしたポエムを添えてノートに記した程度でしたが。その後10年ほどして冒頭部分をワープロ書きにて小説などにしたためたりもしたのだけど、その当座は残念ながら筆力ゼロで(苦笑)おそらく作品そのものも残っていない。


 実は本作には自身のHN(PN)である「瑠華」と深い関わりがあり、ストーリーを触りだけ思いついた中学生当時は微塵も意識していなかったのですが、後に20代の頃、瑠華という自身のペンネームを、とある言霊占いというもので授けて頂いたおり、この作品『ブルー・エトランゼ』の存在を思い出し。ルカ=瑠華=瑠璃色の青い花――という偶然にしては出来すぎている偶然に非常に運命的な何かを感じたもの。


 元々ルカという名には昔々から不思議な愛着を感じており。海のトリトンの白イルカのルカーしかり、漫画家の大和和紀の一作品「ひとりぼっちルカ」しかり。それが瑠璃色の青い花、という連想と結びつき。でも自分自身では、そんなこと全く意識してもいなかったんですよね(笑)。青い花は自分の亡き母が昔から好きな花でもありましたが。


 しかし何の因果か、これをまたしても某大規模アニメ化作品コンテストProject ANIMAのキッズアニメ部門に応募できないか…などと(笑)。その昔のキャンディ・キャンディなどの名作大河アニメあるいは、かつての世界名作劇場のような物語性のある子ども向けアニメの存在というのは現在、ほぼ皆無に等しい状態。このことは、かなり以前から個人的にも非常に危惧していた件でも。


 些か余計なお世話かもしれませんが、現在はゲームやキャラアイテムばかりに特化した原色イメージの子どもアニメばかりで、かつて上記の東映作品や名作アニメなどで育った自分からすれば、人格形成の核ともなる子供時代のアニメの物語体験は絶対に貴重で(それは何もアニメだけに限らないが、ないよりあった方がいい)自分はそれがよい情操教育ともなっていた経緯が。何度も言うけどその意味でも、昭和というのは今からすれば非常によい時代だったのです。


 何なら、かつての宮崎アニメ「未来少年コナン」や、もう少し時代を進ませ同じくNHK作品の「ふしぎの海のナディア」でもいい。ターゲット的には女の子向けだけど、そうした冒険活劇的な面白さも意識したい。でも今はそういった純粋な子ども向け作品はジブリ以外どこにもないですよね。やはり色んな意味でアニメには物語性がないと。これは何も子ども向けに限った話ではないけど、やはり物語性の欠けている作品には感情移入しにくい。それが子どもアニメなら、なおさら。関連商品であるゲームや玩具を売りつけるだけのアニメビジネスとだけ考えるのは、そろそろやめたほうがいい。


 こうした自身の見解などもあり、そういう昔ながらの懐かしい雰囲気の子どもアニメが一作でもあればなぁとの思いで。自分自身が昔そうだったように、子どもの頃、こんな作品を夢中になって見てたな、というワクワクする気持ちを今の子供たちにも後々感じて欲しい。その意味では今回は自分自身の想いというより、純粋に子ども世代などの不特定多数に向け、誰もが楽しめるエンタメ名作アニメそのものの真髄として作品を企画したいと思っています。


 正直Project ANIMA的には、こうしたかつての名作アニメの復権というのは、どの程度意識されているものなのか判りませんが、それでも今2020年代の子どもアニメを考えるなら、もうこれしかないでしょ。他に一体何があるの!?みたいな感じはあるわけで。その確たるテーマは家族。そして父親の存在。どうしようもなく、そんな一番大事な何かが足りない。今の時代、ほぼ崩壊寸前にある、こうした家族というテーマは、今の子ども作品に絶対に必須では。


 ということで、また一つ新たな夢が生まれてしまいました(爆)。それは自身の作品による、かつての名作アニメの復活。もうこれしかない!? 想定としては(ただの妄想ですが、笑)もし可能ならば、かの宮崎吾朗さんあたりに監督していただけたらベストかな、などと。奇しくも自分とは同年代。少し前に、そのかつての名作アニメの片鱗を色濃く残す「山賊の娘ローニャ」などを監督されてもおり。吾郎さんなら、きっと本作を快く引き受けて下さりそう。いやだから、ただの妄想ですってば(笑)。


 キッズアニメ部門の応募開始は今秋くらいになると思うので、それまでおおまかな企画書のプロットなどを煮詰めるべく、この夏はそんな昔懐かしい、かつての宮崎作品よりの名作アニメなどの想像に耽りそう。欧州風の異国情緒あふれる石畳の道の港町で母親がパン屋を営んでいる。15歳になるルカは毎朝の日課として今日も外国からやってくる蒸気船の汽笛を聞きに、いつか父が帰ってくるのではないかと港を見下ろす小高い丘へ。そんな冒頭ストーリーなど、主人公の少女ルカ周辺以外、まだ何も考えてないんですけどね(失笑)。


 まずはヒロイン・ルカがどこを旅するのか。国家機密ばりの秘密がその青い花ブルー・エトランゼにはあって(ありていに言って不老長寿などか笑)それを理由に父は家族の前から雲隠れ。そして謎の組織に追われつつ、父の行方を追って旅する少女ルカ。その過程で出会う仲間たち、サーカス団の少年。お供の白い子猿。子ども作品を舐めてるわけじゃないけど、いつかどこかで見たような作品でいい。今の時代に欠けている、大事な何かを埋められる作品になるのなら。


 『ブルー・エトランゼ』――瑠璃色の青い花が結ぶ、家族の記憶。それは、いつかなくした大切なもの。現役の子どもたちだけでなく、いつの日か、この物語をお見かけした際には、どうぞよしなに。おそらく大人が見てもどこか昔懐かしい、見ごたえのある作品に仕上げる自信は、きっとある!?

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