第35話 てんぷら

後輩「昔、たんぽぽをよく食べてたんですよ」


男「たんぽぽ? あの黄色いやつ?」


後輩「はい。籠いっぱいに採ってきては、おばあちゃんと一緒に天ぷらにしてたんです。塩水に浸して衣を付けて揚げるだけなんですけど、すっごく美味しかったなあ」


男「いいねえ」


後輩「……と、ここまで聞くとただの美談なんですけど、この前ふと思ったんですよ。『衣付けて揚げればだいたいのものは美味しくなるんじゃね?』と」


男「……成長するって嫌だなあ」


後輩「まったくです」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る