第34話 臆病お兄さん

大きい身体なのに臆病なお兄さん。

アナタは玄関に捨てられていた子猫。

タオルに包まれて、震えていた子猫。


性格に反比例して、大きく育ちました。

お姉さんの後ろをチョコチョコついて回る子猫でした。


ブラッシングが大好き。

でもやりすぎると噛んだり引っ掻いたり、わがままです。

でも、噛んだ後はゴチンと強めにおでこをワタシの顔へグリグリ押し付けてきます

ありがとうなのかな?ニャーと鳴いて自分の寝床へ行ってしまいます。


たまに布団に潜り込んで、大きく喉をゴロゴロゴロゴロ鳴らします。

子猫の頃から、花火とカミナリが大嫌い。

あまり鳴かない、静かなところは、お姉さんと似ています。


お姉さんが大好きでした。

アナタは家中探して、探して、鳴いて……泣いて……。

本当に大変でした。


弟は、ちょっと苦手ですか?

活発で、落ち着きのない弟。

小さいクセにじゃれてくる弟。


でも、弟が入院した日、アナタは一晩中鳴いていました。

お姉さんのこと思い出したのでしょうか?

もう会えないと思ったのでしょうか?

不安がってウロウロしてましたね。


帰ってきた弟を見ると、身体中の匂いを嗅いで、毛づくろいしてあげました。

安心しました。


仲よくね、いつまでも仲よくね。

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