第14話 カニは好き 波は嫌い

ざぶん ざぶん と波打ちぎわで くんくんくんくん鼻が鳴る。

初めての匂い、潮の香り。

アレなんだ?コレなんだ?

海藻に流木、初めての匂い、潮の香り。


砂浜を、そろそろ歩く 足の裏に しゃりしゃり と砂がくっつく なんか嫌。

抱っこ 抱っこ で岩場に来ると、小さな魚がスイッと隠れる。

アレなんだ?コレなんだ?

お魚いたぞ、ちっさいぞ、僕が食べてるお魚は、もっと もっと大きいよ。


海水溜りにピチャピチャ ピチャピチャ 手を入れて、捕まえたいぞ 濡れるの嫌だぞ。

アレなんだ……?


目の前で ちっさいカニがハサミを上下に動かした。

ちょんと突くと、挟まれた。


なんだ!なんだ!くっついた。

手々ててを振っても取れないよ。

ぶんぶんぶんぶん、カニがどこかに飛んでった。


アレ探す、アレ面白い。


夢中で走る、岩場を超えて、いつのまにやら砂浜へ。

気持ち悪いの慣れてきた。


いたよ!アレいた!追いかける。

波がカニをさらってく。

足に波が ざぶんとかかり ざわっと砂をさらってく。


ぞわぞわ したよ。

毛を逆立てて、にゃーにゃーにゃーと鳴いている。

早く抱っこ!と鳴いている。

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