EU離脱反対派の議員が殺害された

 ニュースでイギリスの女性議員が殺害されたと報道された。彼女はEUからイギリスは離脱すべきではないと主張していたらしい。犯人は彼女を銃撃したとき「ブリテン ファースト」(英国が一番)と叫んでいたらしい。


 さて、この事件を考える時、あなたはどの様な見方をしますか。遥か彼方の外国で起きた事件だからと流してしまいますか。


 私はこの事件のニュースを見た時、二つの事を考えました。単なる個人的な思想の違いからくる殺害なのか。何らかの陰謀が裏にあるのだろうか。この二つです。


 前者を考えた時、思いつくのは英国の国粋主義者。この加害者からすると英国がEUから離脱して、グレートブリテンとして国家運営されていく事を強く願っていく上で、離脱反対を大声で叫ぶ彼女が目ざわりだった。そして、国民投票が近づくにつれて、目ざわりから邪魔な存在になっていった。その結果として殺害に至った。というストーリーが思い浮かんできます。全く被害者からすると考えもつかないことですよね。所謂、通り魔とかストーカー被害に近いものだという見方ができると思います。


 後者を考えると、どんなストーリーが考えられるでしょう。これはある意味推理小説のような、ミステリーのような真実を闇の中に押し込めるようなストーリーになりそうですね。


 そう、この事件によって誰が得をするのか。


 イギリスという国には、何かしら大きな闇が潜んでいる。そして、その闇に喰われるのはいつも女性です。このように書くと頭に浮かぶ人もいるかも知れません。そう19年前のダイアナ妃の事故死。


 今回の事件には、何となく同じ匂いを感じるのです。即ち、大英帝国のプライドという大きな闇に呑み込まれてしまったという匂いです。ダイアナさんはとても美しかった。しかし、民間人から王室に嫁ぎ、王室のプライドに潰されてしまった。私がそう感じたのは、皇太子ご夫婦が日本にやってきたときです。


 この国の人々は、彼女の美しさに魅入られていました。しかし、私の目には何故か彼女の表情の中に暗い何かを感じ取ったんです。顔は笑顔なのですが、目が氷のように冷え切っていたんです。結婚された時の彼女の目とは明らかに違っていた。


 そして、その結果として彼女は若い命を失ってしまった。


 そのことと、今回の事件にどんな繋がりがあるのか。皆さんはそう思うかも知れないですね。しかし、私には感じるんですよね。もし、EUから離脱したならばイギリスはヨーロッパの一つの地域としての存在から、英国としてのプライドを取り戻せる。EUはヨーロッパの連合体とは言っても、其々の民族による国家の集合体です。


 その中に大英帝国のプライドが、埋もれていくことに果たして満足できるのか。恐らく今回の国民投票は、彼らが大英帝国の末裔でいるのか、ヨーロッパの一員となるのか。その大きな決断を迫られているのかも知れません。国民の考えが真っ二つに分かれた、今回の国民投票の寸前に起こった事件。タイミングがタイミングだけに色んな憶測ができるのだと思います。


 果たして、離脱賛成派の人間によるものと簡単にかんがえて良いものなのか、それとも、離脱反対派によってスケープゴートにされたのか。間もなく行われる国民投票の結果が全てを物語るかもしれない。

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