先輩と

「せーんぱい」

「何?」

「わたしね、先輩のこと、好きですよ」

「え?ありがと。わたしも美歌ちゃんのこと、好きだよ」

「え?本当ですか?なら、わたしたち、恋人ですね?」

「え?何でそうなるの?」

「だって、わたしは先輩が好きで、先輩はわたしが好きなんですよね?」

「確かにそう言ったけど、それはそういう意味じゃないよ?」

「じゃぁ、遊びだったんですか?初めてだったのに……」

「初めてって、え?何が?」

「昨日の夜、わたしの処女、奪ったじゃないですか……」

「わたしたち、女同士だよ?し、しょ、処女、なんて奪えないよ?それに、昨日の夜は会ってないよね?」

「わたしの夢の中に出てきてくれたじゃないですか!あ、先輩、もう一度処女って言ってください」

「し……そんな恥ずかしいこと言わないよ!って言うか、夢の中って、わたし、関係ないよね?」

「恥ずかしがる先輩って可愛いですね」

「う……。ま、まずは、美歌ちゃん、落ち着こうね?」

「わたしは落ち着いてますよ。ほら」

「な、何でわたしの手を胸に持ってくの?わたし、そんなつもりは……」

「何を想像してるんですか?落ち着いてる証拠に心臓の音を、って、先輩と一緒だからドキドキするし、意味なかったですね」

「そ、想像なんて、何も……。うぅ、美歌ちゃんがあんなこと言うから……」

「あ、先輩の新しい一面、発見!」

「え?」

「意外とむっつりなんですね」

「ち、違……」

「わたしの前では素直になっちゃいましょ?」

「わ、わたしは素直に、なってるし……」

「ねぇ、先輩?どうして太ももをそんなに擦り合わせてるんですか?エッチな気分になってるんですか?」

「な、なってない!わ、わたし、トイレに行ってくる!」

「えぇ、一人より二人の方が気持ちいいですよ?」

「な、何で二人でするのよ!?」

「だって、先輩、オ⚪ニーしに行くんですよね?」

「し、しないよ、オ、オナ……なんて……」

「え?何を?」

「た、だから、その、オ……うぅ、美歌ちゃんはあんなこと言って恥ずかしくないの?」

「恥ずかしくないですよ。普通のことじゃないですか。ところで先輩、トイレに行かなくていいんですか?」

「うぅ……行くよ!その、付いてこないでよ!」

「精一杯努力します」

「来たら、本気で怒るからね?」

「分かりました。行きません。なので、早く行ってきたらどうですか?」

「……うん」


 恥ずかしがる先輩、可愛かったなぁ。あ、録音、止めないと。

 先輩の手の感触がまだ胸に……。

 先輩が戻ってきたらわたしもトイレで……。あぁ、やっぱり、我慢できない!誰もいないし、ここでしちゃおう。

 途中で先輩が戻ってきたら、どんな、んっ……、何、これ……、いつも、より……ダメ……もう……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る