「全裸?」「着てるから!」

「ねぇ、暇だし、しりとりしよう」

「いいけど、それじゃ、好きなもの縛りで」

「何、その縛り?」

「いえ、普通にやってもつまらないと思ったので」

「まぁいいけど。わたしからでいい?」

「いいよ。じゃぁ、しりとりの『り』から」

「えぇと、『莉音りおん……ちゃん……の笑顔』」

「今、誤魔化したよね?それも、二回も」

「え?なんのこと?知らないよ?」

「じゃぁ、『おっぱい』」

「え?」

「おっぱい。いえ、貴女のおっぱいを見てたら、つい」

「好き、なの?」

「貴女のおっぱいを見て好きになりました」

「なんか、その言い方だとわたし、服着てないみたいじゃない?」

「え?着てるの?」

「着てるよ!見てよ!」

「はい、おっぱいをしっかりと見させてもらいました」

「言い方!服着てるから!お、おっぱいは見えないから!」

「え?着てるの?」

「着てるよ!って、このやり取りやったばっかだよね?」

「と、犯人は供述しており…」

「だから、着てるから!捕まらないから!」

「誰も貴女のことだとは言ってないよ。やっぱり、着てないんだね」

「いや、着てるから!」

「はい、下は着てますね」

「上も着てるから!って、何で敬語に?」

「いえ、公衆の面前で全裸になる方と知り合いだと思われたくないですから」

「全裸って言った!わたし、ちゃんと服着てる!それに、ここ、わたしの部屋だよ?公衆の面前じゃないよ?」

「え?さっき脱いでたじゃないですか?」

「脱いでないよ!友達の前で全裸になる人、おかしいよね?」

「自分でも理解してるんですね?」

「わたしのことじゃないから!」

「分かりました。そういうことにしておきます。それで、次は貴女ですよ。『い』です」

「え?あぁ、しりとりね。すっかり忘れてたよ。誰かのせいで」

「誰のせいですか?」

「莉音ちゃんだよ!はぁ、い、『いるか』」

「『牡蠣』」

「あ、今度は普通だね。じゃぁ、『キス』」

「え?もう一度お願いします」

「『キス』。ねぇ、敬語はやめようよ」

「したこと、あるの?」

「……ないよ。でも、いいじゃん!してみたいし、きっと素敵なんだろうなぁ、って思うし」

「じゃぁ、わたしと、する?」

「何で莉音ちゃんと?」

「そんなに迫ってきてこないでください。さすが、公衆の面前で全裸の方は違いますね」

「迫ってないから!服も着てるから!」

「やはり、貴女ほどにもなると、そのおっぱいでキス以上のことも色々してるんですか?」

「してないから!!」

「あ、あえておっぱいは隠してのプレイですか?そういうの、好きな男性も「してないからね!」

「まだ、言ってる途中だったのに」

「あ、ここ、R指定入る内容はダメだから考慮したんですね。ありがとうございます」

「え?何?いきなり、メタ発言するの?そういうの、控えた方が…」

「でも、星成和貴さんが書いたから仕方ないでしょう」

「だから、メタ発言はやめようよ!」

「あ、そう言えば、今回、十話目だから、記念で何かしたかったらしいですよ」

「え?じゃぁ、なんで、こんな百合らしくない会話なの?」

「このあと、なるんじゃないんですか?」

「わたしと、莉音ちゃんが?」

「いえ、貴女の右のおっぱいと左のおっぱいが」

「おっぱいから離れて!もう、恥ずかしいよ!」

「なら、服着てください」

「着てるよ!って、もう、この下り、何回目!?」

「数えましょうか?」

「メタ発言はダメ!」

「『素晴らしいツッコミをわたしが何を言ってもしてくれる香梨かおりちゃん』」

「え?何で二重鍵括弧?」

「しりとり。好きなもの縛り」

「え?」

「好きだよ、香梨ちゃん」

「また、からかってるんだよね?」

「本気、だよ?」

「……」

「わたしの、敗けだね」

「え?あの…」

「終わり」






「勝手に終わらせないで!どういうこと?」

 と、香梨は全裸で言った。

「作者公認ですね」

「着てるからーーーーーーー!!!!!!」

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