第6話 奴隷から内戦へ

運が悪いのも私程ではないのかもしれない。それほど今回の私の旅行は運が悪いだけで片付けられるものではなかった。


奴隷商人に拾われた私は奴隷として働かされることになった。そしてそこではまさに人をものとして扱う人ばかりであり、また、奴隷が死んでも誰も助けてくれる人はいなかった。


そして、春休みも終わる4月になり、私はまだ異国の地で奴隷として扱われている状態である。たぶん家族がこの状態ならば行方不明のことを大使館らしきところに届けてくれるのかもしれないが、そもそもこの場所がいったいどこの国なのかもわからないのはどうしようもなかった。


そしてある日、私は主から内戦の兵隊として行かされることになってしまったのである。つくづく運がなさすぎるとしか言いようない。


そして私は兵隊としてこのときはじめて20歳になるとき=成人式がまさかこのような異国でライフルをもって立っているとは小学生の時のタイムカプセルがあったらどう見ているのだろう。


・・・・・・・・・・・・・・・・「おい!何やってんだよ。ミサイルが飛んできたのが見えなかったのか?」と意識を取り戻した私は助けてくれた人物におんぶされていたのである。


「あーーーーーーー、すまん何言っているのかわからん」と私はそもそも日本語しかわからないので彼が話しているのは英語なのだろう。彼が何を言っているのかが、そもそもわからなかった。


「日本人か中国人か韓国の人間らしいな。英語もしゃべれないのか?ここでは英語が話せないと何もできずに死んでいくぞ」と何やらジェスチャーらしき言葉で私に何か伝えてくれていたようだが、その日の私は死んだように眠ってしまったのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る