2。適当詩人ボエマーのお店の物品紹介並びに

地獄っぽいのかなんとか、ボエマーのお店へようこそ。


 街はどうでもいいから誰かに会わせろ。話を聞きたい? 僕の話は無駄? あんたがそういうなら会わせてあげても別にいいけどさ。やめた方がいいと思うよ。なんせ、あんたには全くと言っていい程に信頼がないからさ。この街の住人からね。この街の性質上、部外者みたいなのを軽く簡単に中に引き入れるなんてことは微塵もないんだよ。それくらい分かってほしいね。


 それでも会いたい? そう、なら会わせて上げなくもないよ。あんたがどうなったって構いやしないけどさ、貰った金の分の仕事はさせてもらうよ。今のうちに滅茶苦茶金払ってくれるならさ、そこそこの場所に案内してやる。でもそこで変なことしやがったらあんたの事奴らに売りつけっかんな。ヒヒヒ


 


      ***


      街一番の適当な物を適当に売っているお店

                      ―ボエマー      

                          

                        ***


 ボエマ―の店になんか妖怪。

 

 …なんちって

 んで、坊やの紹介でここまで来たから取材させて欲しいって?

 あんた、よくそんななりで食われなかったね。多分坊やの導きがなかったらさ、今頃食われてたと思うよ。この街に来た奴が最初にする仕事ってのは大概街の案内屋で案内屋っていうのは街の業者(そりゃぁとっても様々な業種さ)と手を組んで、この街に来た奴らを貶めるのが大半の仕事なんだけどね。まぁ、最近は、坊やから聞いたとは思うけど、《コスト》って奴が幅をきかせてきてね。この街に入ると食われるっていう噂が娑婆に跋扈しすぎちまったからな。そのせいで少しはまともな案内屋が増えたとはいうがね。それでも街に来た奴らの内案内を受けた半分の奴らは墓畑の肥料になるのさ。

 

 とはいえ、あの坊やの紹介する奴ならそこまで悪じゃないんだねあんた。いいよ。分かる事はなんでも聞いてやるよ。答えられねぇって物はないよ。但し一回答える事に、その内容に応じて金を払って貰うがね。

 ほら、先にこうやっていうだけ中々良心的じゃないかね。こんな街で、店を長年開いてる俺みたいな奴は珍しいと思うぞ。 

 

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