『9点!』『心界のシークレイド』 著者/緑野ぱせり

書評レベル『辛口』


タイトル

『心界のシークレイド』 著者/緑野ぱせり


キャッチコピー

『人類のトラウマから生まれた魔物『心魔』を、カウンセリングせよ――。』


あらすじ

『 祈原 夢木は、幼い頃事故で死なせてしまった妹の亡霊に殺害される。

 その際、夢木は何者かの手によって魂をアンドロイドに移植され、異世界へ転生した。

 転生先は、人のトラウマから生まれた魔物『心魔』が人類を滅亡に追い込む世界。

 それから夢木は、対心魔掃討組織『特殊機関レイネス』により、無理矢理心魔と戦わさせられることになる。

 戸惑い、死に怯える夢木。

 しかし彼には、心魔の傷ついた心を診(み)て、トラウマを解消することで消滅させる特殊能力が備わっていた。 』


ジャンル

SF

セルフレイティング

残酷描写有り 暴力描写有り

タグ

異世界、異世界転生、SF、ホラー、ミステリー、バイセクシャル主人公、超能力、 シリアス

総文字数

107,583文字

公開日

2015年12月25日 16:20

最終更新日

2016年4月2日 10:59


────2016年04月08日19:24現在時点。


文章力★★★(★×3)読みやすさ

独創性★★★(★×3)オリジナリティ

娯楽性★★★(★×3)おもしろさ


────合計☆数『9点!』


 はい、きましたね。トリにして満点! もうね、読んでいる最中にね。これもうひと言でいいんじゃないか? とか思っていたわけですよ。とりあえず、呟きます。


 ────プロになれば?


 Twitterをご覧になっていた方は読了ツイートでご存知でしょう。なんかね。企画の趣旨としては埋もれた作品に導線を! という書評の企画だったわけですが、初体験でしたねえ。一話、二話とすすんでいくたびに、いや、私じゃなくて編集者さんに訊けよ。なんて思った作品です。違う意味で投げそうになったのは秘密(笑)


 物語は一人称。主人公の『祈原夢木しゆくはらゆめき』が十年前に双子の妹である『微睡花まどか』を事故とはいえ、殺したという自責の念にかられるところから始まります。場面は変わり現代。微睡花を亡くして無反応になった母と二人で暮らす夢木の前に、死んだはずの微睡花が現れて────気付けば異世界へ。


 タグにいろいろとあるので、不安を煽りますがきちんとSFをしています。正確にいうのならSFです。オカルトやファンタジーではなく、科学的な道具や説明が出てきます。わんさか出ます。ライトな異世界ファンタジーだと思って覗いたとしたら、ひどく後悔するでしょう。これはアリだっとね。逆にSFが苦手な方は……おやめになったほうが(笑)


 では。作中の『心魔』は……ルビがふってませんでしたね。『シンマ』であってる? 後ほど確認してきます。『心魔』という化物に襲われ続けている異世界で、戦うことができるのは夢木だけである。そのため、死の恐怖に怯えながらも、半ば強制的に連れてこられた初の戦いである『心魔』は、母の『夜澄やすみ』が産み出した化物だった。その理由は微睡花を亡くした心の闇。トラウマ。夢木にも襲いかかる自責の念が────。


 そんな風に続いていくわけですよ。平たくいうとですね。ロボットの出ない(?)『エヴァンゲリオン』か『レベルE』でしょうか。『レベルE』を知らない? 冨樫先生ですよ。『幽遊白書』や『H×H』を描いている漫画家です。『レベルE』でトラウマの少女の話をする(確か三巻の甲子園)雰囲気にそっくりです。それこそ自作のクトゥルフよりも冒涜的なもので、私脱帽だつぼう。ひとの内に巣食う心の闇。それを浴び続けるハメになった彼は、今後どうなっていくのでしょうか。


 読みたくなった? なら読め。あ、そうそう。ここからは辛口。ぱせりさん、背筋伸ばしてえ。


 展開が書籍、縦書きを基調とし過ぎています。それでも書籍化されたあとならば問題ないのですが、今は関係あるので直しましょう。読書中の呟きにもあった場面は、伏線になっていそうなので置いておきます。だけどね、。ちょっとびっくりした? 心理描写が冗長になるために、それ以外の場面を削りに削った印象をもちました。計算され尽くされた舞台で演者が踊っている舞台です。これはよくない。ほんの少し、を入れましょう。


 それと、場面の入りをもっと描いて、読者に知らせてください。ここは違う場面で、違う視点なのだと分かるように書く。縦書きであれば数行の空行を入れたり、記号を入れたりして分かりやすくできますが……いっそ、で一話でも大丈夫ですよ。読者はめくります。気になるから(笑)


 横書きのWeb小説では『序章』や『間章』も有効です。嫌わる理由はそのあとのためです。『小説家になろう』で書籍化されたプロの方々はその辺を理解されており、ちょっとした稿稿してくれています。ということはですよ。読者は単純な意味で嫌っているわけではありません。途中で更新が途絶えるぐらいなら、少しでも本編を。そんな読者心理が働いた結果として嫌われているだけです。これは勘違いしているひともいそうですね。参考にしてください。


 もういいかい? トリだからね。普段の書評でいわないことも喋っているよ。今回のエッセイをみたアナタは思わないかい? これは編集者の仕事であるとね。読後の私の気分で書評するとどうなっていたのか、ちょっと書いてみましょう。


 以下、読後。


 ────プロになれば? 以上。


八艘跳。(´ω`)


 次回は最後、おまけエッセイです。そのあとの連載? じ、自作の更新があるんだ。また気分転換に始めるかもしれないけど、予告はしない(笑)

 それではまた次回、アデュー。


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