百物語

――こうして、私は昨晩現れたあの人が既にこの世に亡い人だったのを知ったのです。これで百話目もおしまいです。蝋燭を吹き消しますよ。


――また、百本、全部灯りましたな。


――あ、ロナルドの奴が消えちまったぞ!


――見て! 随分立派なお屋敷のお嬢様に生まれ変わったみたいよ。


――前の人生では死ぬまでスラムから出られなかったらしいから、その埋め合わせかな。


――こんにちは、ぼく、さっきくるまにぶつかって、白い羽のおねえさんにこのへやにいくようにいわれました。


――そうなの、ボク? じゃ、そこの一つだけ空いている椅子に座って。この子にも話しやすいように今度は前の人生で好きだった遊びの百物語をしましょうか?(了)


*monogatary.comのお題「会話だけの物語」からの創作です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る