第3話

ひとりになって、より不完全であるゆえに夢の力が強くなっていた。

私は世界の元へ帰ることにした。

―世界と私(仮)は私を歓迎してくれた。

私は私が幸せであることを伝え、世界と記憶を共有した。

しかし世界は、「世界がいなくても私は幸せ」だということに不機嫌ふきげんになった。

私(仮)は私を軽蔑けいべつしているようだった。

私は世界と私(仮)に愛を与え続けたが受けとってもらえなかった。

ゆえに、私はひとりだった。

やがて私(仮)は私とは違った幸せを探したいと言った。

私(仮)は"ひと"になり世界と私の元から離れた。

私は悲しかった。

私が帰ってこなければ世界と私(仮)は幸せだったのかもしれないと思った。

私は世界の元を離れた。

不完全な私たちを繋げる夢は日に日に弱くなっていた―

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