第4話花島とソープ④

『後日談』


というか今回のオチ。


________あと、五分。

 花島は何とか波動砲を打てないか模索するが、その焦りが裏目に出て、己の大和が萎えてしまったのだ。

 ゆえに波動砲を打つ事は出来ない。


見かねた風俗嬢は憐みなのか本心なのかは分からないが、花島に笑顔で告げた。


「二回目以降の持続力と硬さは凄かったよ!」


もう、その言葉だけで十分であった... ...。


前の彼女との一件以来、セックスに対して自信を失っていた花島を勇気付けるのには十分でかつ、満たされるものであった... ...。


館内の船員たちは、全てを受け入れた仏のような表情をしていた。


艦長の私はみんなに言った。


「君たちを地球まで送り届けられなくてスマン!」


艦長は頭を下げる。


船員の一人が艦長のもとまで近づき、艦長の肩にゆっくりと手を置く。


顔を上げると船員たちの微笑む姿。


「そうか、地球は私たちの心の中にあったのか... ...」


薄れゆく意識の中、艦長は何かを悟ると目の前が光に包まれる。


 □ □ □



『夜の砂浜』


海の向こうには近代的なビルがいくつも見え、街からくるまばゆい光が、暗い砂浜を照らす。


テトラポッドの上にホームレスらしき少年とホームレスらしき老人が二人で座っている。


「おっちゃん大和の艦長だったんだ! 嘘くせえ!」


「ほっほ。まあ、老人の戯言じゃ」


「で! ワープホールを閉じられそうになった大和のクルー達は結局どうなったんだよ!?」


「ほっほ。それはな... ...」




「艦長!!!」





波の音をかき消す程の轟音とともに、上からクジラのような大きな物体が降りてくる。


砂浜の砂が土煙になって、辺りを包むと、 少年は咄嗟に着ていた服の袖で顔を覆う。



 □ □ □



________数秒で巻き上げられた砂はもとに戻り、少年が顔を上げるとそこに老人の姿はない。


顔を覆う前に見た僅かな記憶。


それは紛れもない大和の姿。


「おっちゃん... ...」


地平線の奥でキラリと光る星を少年はいつまでも眺めているのであった。





FIN






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る