風船

友達はいて

昨日のごはんも美味しくて

青い空を見上げると

僕は幸せな人だって思ってた


誰かの遊びに混じって

誰かの好きを持ち帰って

僕はひとりじゃなかったけど

夜に一回

叫ぶ言葉を探したりした


会いたくて走ったことなんて

電話を待って秒針が止まったことなんて

君に会うまで海底都市くらいに思ってた


楽しくって

嬉しくって

幸せだって思ったら

言葉にならないまま叫んでいたよ


怖くって


独りじゃない不幸じゃない貧しくもない

ただ乏しい

希望がない夢がないしたいことなんてない

幸せしかない僕


幸せですって言わなくちゃ

君の隣りでうっかり言ってた

幸せってこんななんだ

これさえあればいいかもなんて


贅沢過ぎて笑えるね

朝の青が待てない君が叫んだ


ずっとふたりでいようね、なんて


やっと見つけた気がしたよ

手を繋いで

青の前に飛び立って

産声みたいな声で唄おう


怖くない怖くない怖くないよ


二人で唄おう勇気を出して

幸せな僕の短い歌

くれた君との短い歌

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