正しいか正しくないかと言われたら、正しくない。

登場人物の思考や行動が常に「正しい」ことを求められがちな昨今、淡々と綴られる「正しくないけど、『こう』なんだ」という姿勢が魅力的。

多くの人には理解も共感もされないが、『こう』なんだから仕方ない。
人間には、他人がいくら手を伸ばしても触れられない心の陰というものがある。そういう部分が少し疼く、名作。