☆検証「乱舞りんぐファンタジー」感想

 友人宅で美味しいスパークリングワインを頂いてきたものだから頭のなかも絶賛☆スパークリング、白花明兎です。

 ビールや焼酎などの苦いor如何にもなお酒は苦手ですが、ワインや梅酒などの果実酒なら瓶を開ける程度のしとやかさで嗜みます。日本酒は飲みます。

 大人って楽しいよね。好きな肴はチータラとホッケとチーズ全般です。


 まずいぞこんな文章を書いていたらすごくカプレーゼが食べたくなってきた。


 そんな訳で本日は帰宅後、読んだり書いたりするつもりだったのですが、予定外にお酒を頂いてしまったので、ここはひとつ自分に立ち返ってみたいと思います。




 先日ありがたくも機会が合いまして、芳賀さまより拙作2作品についてとても丁寧な感想を頂きました。


芳賀概夢さま「我想う故にカンソウ」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054880945837


 今回はこの感想にてご指摘いただいた部分を見ていきながら、少々自作について分析をしていきたいと思います。

(なお芳賀様には、エッセイ掲載と引用について許可を頂いております。)



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「乱舞りんぐファンタジー -Rambling Fantasy-」

■ジャンル:現代アクション

■連載期間:2015年12月25日~(連載中)

■総文字数:858,203文字


□キャッチコピー

 魔法(?)×青春×群像劇。萌えるより燃えたい、少年少女の青春賛歌!


□あらすじ

 時は21世紀、舞台は日本のとある街。科学の発展した平和な世界で、しかし世の中の人々は『理術』と呼ばれる不思議な力(ただし使い所がない)を誰もが使えた。

 そんなある日、仲良し女子高生4人組は同世代の男子高生たちから襲撃され、図らずも理術を巡る争いに巻き込まれていく……。


 魔法(?)×青春×なんちゃって群像劇の、おおむね大フィーバー、たまにシリアス、思春期こじらせ真っ只中な、高校生ズの乱れ舞うハイテンションファンタジー。

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 ここからは、ですます調でなく、である調にてやっていく。


 上で記載したように、この「乱舞りんぐファンタジー 」(以下、『乱舞』とさせてもらう)は、80万字超え&まだ連載中の長編だ。

 告白すれば、乱舞を書き始めたのは実に約十年前になる。五年くらいはこの話を書いていない期間があったので実際の執筆時間は違うけれど、ともあれ学生時代からの付き合いとなる物語だ。(だからこの文字数は別に凄くもなんともない。)

 それだけ非常に思い入れの強い作品でもある。



 ――さて。



 この物語は、私の看板作で、だ。



 カクヨムで活動させてもらって数ヶ月。ありがたいことに、拙作にもちらほらと星やレビュー、フォローを頂いている。

 この乱舞にももれなく星やフォローを頂いており、本当にありがたい限り。

 

 けれど。過去に書いた作品をそのまま載せただけの宣伝ゼロの作品、すなわち「カクヨムにて連載をしなかった作品」を除けば。



 この作品は、現時点で唯一、レビューが付いていない。



 勿論、連載中だからというのはあるだろう。長すぎて後込をし、そもそも読者が付かないという理由も大いに考えられる。

 だが連載中であってもレビューを頂いた作品はあるし、乱舞だって星はもらっているのだ。

 そして、不正な星が粛清された今でも、頂いた星はきちんと残っている。


「星はつけるけどレビューは敷居が高いから苦手」

 という方がいるのは重々承知だ。

 ただ、ひとまずそれはさておいて、「レビューをつけることもある人」が乱舞を読んだりフォローしたと仮定して、レビューがないのは何故なのかという理由を考えてみた場合、こういう結論に至った。


「そこそこなので星はつけるけれど、レビューをして宣伝をしたいと思うほどの魅力がない」

「フォローはしているけど、一気読みするほどの引力が無いからまだフォローだけで読めないでいる」


 からなのではないか、と。



 レビューを書いたり一気読みをする、というのは、ある種の『衝動』だと思う。

 勿論、理性的にレビューする方は多いと思うが、いずれもその作品に対する『愛』、あるいは『興味』やはたまた『嫌悪』……名称は色々あるだろうが、ともかくそういった類の『衝動』がないと、なかなかそこまでは至らないのではないかと私は考えている。

 引力を伴うその衝動は、はじめからそれなりの力がなければ大きな効果を発揮しない。


 つまりは、だ。



 この物語には何らかの欠陥がある。

 そしてその欠陥は、おそらく物語の序盤部分にあるのだ、と。



 今書くのは後出しみたいでずるいとは思うけれども……おそらく原因の一つである、序章と1話から2話にかけてのPVの下がりようにも気付いてはいた。

 けれども、当事者である私はどうしても原因が分からなかったのだ。

 ……そこは、書き手。贔屓目もあるし、何より自分が一番面白いと思って書いているのだから。目は曇りまくりである。


 ただ、それでも第1部を最近読み返した時に、どうにも気持ちの悪い違和感、目を覆いたくなる「コレジャナイ」感はつきまとって離れなかった。

 第2部・第3部については感じなかったものだ。




 ……そして私は、ひとまず自分の目を隠した。

 不甲斐ないことに、その『何か』が見つけられなかったのと。

 闇雲に試行錯誤するには、あまりに遠いところ(文字数的に☆)に来てしまっていたからだ。



 とりあえず、何が何でも最後まで書き上げよう。

 分からないままもがくよりは、まず完結してみせて。

 それから、改稿については考えよう、と。そう、思った。



(完全に個人的な事情になるが……。本当に勿体無いながら、ずっと昔から乱舞を気に入って更新を追ってくれている人たちがいる。

 そして私は、乱舞の完結に際し、あまりにその人達を待たせすぎているのだ。

 これ以上、もしかすると自分の勘違いかもしれない原因不明な違和感を解消するために、また改稿して時間を掛け、待たせるのは申し訳なかった。)




 そんな有様だったので。

 ずっと小骨が引っかかったまま、のような状態だったのだ。


 本音を言えば、どの話よりも何より感想を欲しかったのがこの作品だった。

 しかし、数多の「感想募集」企画はあれど、如何せん現時点で80万字超えのこの文字数。どうにも申し訳なくて依頼をすることが出来なかったのだ。

(結構、依頼されたからには全部読破する、というタイプの方が多いように見受けられたので……)


 ただ芳賀さんの場合には、特に聞きたいところなどを指定してお願いしている方がいたのを見たので、私も「冒頭の4話程度で」と感想をお願いすることが出来た次第。

 沢山の依頼があった中、ここまで詳細な指摘を下さった芳賀さまには本当に感謝しかない。



 ……前振りが異様に長くなった、が。

 そういった経緯で頂いた、芳賀さんの感想が以下である。



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 最初の感想は、「なぜ?」だった。

 ジャンル的には、人気が出そうな内容である。

 また、あらすじを読んでも悪くないし、なにより文書も読んできた中ではよくできている方だった。

 そして、序章を読んだ時、「悪くない」と思った。

 そこまでは、大きな問題を感じない作品なのに、PVがあがってないことが不思議だった。


 だが、第一章に入ると、なぜか読む速度が減少した。

 作者に「4話ぐらい読んで~」と言われたのでそのぐらい読んだが、不思議と2話ぐらいで足が止りそうになった。

 正直、何が悪いのか難しい作品だ。

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 乱舞の感想が載っているのを確認した時には心臓が口からまるっと出そうだと思ったのだが、この冒頭を読んで本当に吐くかと思った。


 何故かといえば、……こう書くと語弊があるかもしれないが。

 に、ちょっと褒めて(?)もらったのだ。

 猿がさるすべりにでも登るかと思った。


 だから、後半で読む速度が落ちたと書かれた時に逆に安心した(笑)

 そして同時に、「何が悪いのか難しい」と書かれたことに居住まいを正した。



 自分の抱えている問題は、本当に厄介だったのかもしれない、と。




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 ちなみに作者から質問があった「扉文」の必要性だが、個人的には「いらない」。

 スタートとしては、序章の方が魅力的。

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 この部分については、感想を依頼した時に私が質問した箇所である。


 ひとまず速攻で非公開にした。


 かつては、プロローグのような、なんだかよく分からない文章が一番最初に来ていたのだ。

 勿論、無意味なものではなく、乱舞全体に関する仕掛けの一つではあったのだが。とりあえずそれは後で考えることにする。


 ラストの仕掛けを企むより、まず読んでもらわなければ、意味はないのだ……。


 多分、私は、扉文については、(なまじ別の人にピックアップされたことがある部位だけに)背中を押されるのを待っていたのである……。




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 とにかく普通によくできている。

 というか、序章は面白かった。

 だが、第一話から「あれ?」という感じになってしまった。

 女の子たちのハイテンションな会話が面白いはずなのに……なぜか面白いと思えない。

 パーツパーツで見ると悪くない。

 たとえば台詞だけ見ると面白いのだ。

 たぶん、我想うで書いてきた中で、一番感想が難しい作品。


 最初、春と潤がでてくる。

 2人のやりとりがあって、「ふむふむ」という感じで始まる。


 だが、いきなり「+++++」と区切り記号が入って、ブツッと途切れさせられる。

 ここで区切る必要があったのかな……と思うが、とりあえず進む。


 すると、今度は教師とさらに2人のキャラクターが追加される。

 しかし、この2人のキャラクターの登場シーンが、ちょっと押しつけがましい。


(中略・本文の引用)


 いきなりこういう設定をバーンと紹介され、これだけで主要キャラ入りして、会話に入ってくる。

 「因みに襟元からチラっと見えている鎖骨ですが何か」、「バレないでかこんの十歳児ィィィ!!!」と、読者が知らないネタをふられて、それがまるで当然のようにスルーされていっても置いてけぼりになる。

 そのため、この2人が頭の中に最初はなじみにくい。

 この2人も、最初のシーンでドタバタやらせた方がよかったと思う。


 しかし、それさえも全体から見たら大した問題ではないはずだ。

 本当に何が悪いんだろうと、何度か読みなおしてみた。

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 また吐くかと思った。

 そして一番と言わしめてしまうという、この……。まあいい。


 確かに、登場シーンについては、後半二人がどうしても見劣りする。

 実は第1稿~カクヨムに載せている以前の稿までは、全員が一同に介してドタバタしていたのだが、この稿ではそもそもストーリーの展開を変えている。

 で、こういう形にしたのは、前半であまりに騒ぎすぎて冗長になり、説明が遅くなりすぎるのを危惧したからだった。


 バランスが難しいところだが、確かに指摘の通り。

 ここはいずれ直そう。




 ……そして、だ。



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 そして結論としては、まず地の文がよろしくないのではないかと思いはじめた。


(中略)


 三人称で俯瞰視点の地の文が基本だろう。

 多少、キャラクターよりなのだが、どうもこの地の文がキャラクターと乖離を起こしている気がする。


 逆に言えば、序章や「1日目:花火の夜に(3)」のワイトたちのシーンは、突き放して地の文が書いてある。

 だから、なんとなくしっくりいった。


 だが、他の部分では硬い地の文のまま、キャラクターに近づき、ギャグの世界に入り混もうとしている。


 そこであらためて地の文を見ると、第三者俯瞰の地の文にたまに「人」がいる。

 いや、もともと語り部が、そこにいた。

 キャラ説明、世界観説明なども、よく見ると語り部口調だ。

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 ハレルヤ。



 ……そうだ。

 確かに、居る! 奴が!!


 誰だ!!!



 私だ!!!!!





 ……これは。

 完ッッッ全に、かつて改稿しガラッと変えた筈の、第1稿の名残だった。





 どうせほとんどの人は読んでいないだろうからぶっちゃける。


 この乱舞という作品、元をたどれば、高校時代の友人たちをモデルにした完全身内ネタの小説なのだ。


 ただ、名誉のために断っておくと。

 最初はネタであったそれだが、私の脳内で存外に膨大な物語が生まれたため、後にちゃんと構成を作り物語そのものを組み立て直し、バランスを考えてキャラメイクしたため結果的にモデルとなった人物とはなかなかに乖離し、現在ではほぼほぼ別個のちゃんとした一つの物語として独立したものとなっている。

 というか、身内ネタ止まりだったらまずこんなところで公開しない。それこそ身内の同人誌だけで出す。



 だが、第1稿は、授業の合間に藁半紙の裏に書いた、身内向けの友人のための物語なのだ。



 ああ! 若い子たちってもう藁半紙自体を知らないのかしら!!

 いやそこは問題じゃないよ! もう!!!




 ともあれ。そういった経緯を辿った物語なので、当初の語り部は確かに『私』だった。


 そして、しっくりいったという『序章や「1日目:花火の夜に(3)」のワイトたちのシーンは、突き放して地の文が書いてある』部分は、稿だった。




 ……憑物が落ちた気分である。


 目からこれでもかとぼろぼろ鱗が落ちたような。

 決してコンタクトではない。




 改稿、とはいえ。どうしても元々の内容に引きずられてしまったのだろう。

 しっくり行き過ぎてびっくりしている。

 ずっと積み残していた謎が解けたような心持ちだ。

 いや、実際に、一つの原因が判明して、本当にすっきりしている。


 この部分については、少々直すのに時間がかかりそうだが、


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 シリアスシーンは、そのままでいいと思うが、ハイテンションシーンにはハイテンションシーンに適した地の文があるのではないだろうか。

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 最後にまとめると、これはむしろギャグを押さえてストーリーに重点を置けば、もう少し人気がでるレベルが眠っていたのではないかと思う。

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 これらの指摘も考慮に入れつつ、バランスを考えながら改稿したい。




 なお。今回の指摘を受けて、そして最初につらつら書いた問題点の多少の改善のために検討していることがある。

 それは物語のスリム化、だ。



 乱舞は現時点で全体として85万字超え。そのうち、

 第1部が44万字、

 第2部が18万字、

 第3部が25万字予定だ。


 他と比べても第1部はあまりに長い。

 第2部、3部についても、もう少し削れる部分はあるだろう。


 できれば第4部まで含めて100万字で収まるようにしたいと考えている。


 ……それでも十分多いけれども(笑)

 各部につき、多くても文庫本2冊程度の分量で終われるのが理想。



 前に書いたとおり、立ち止まるのは憚られるので。続きは書きながら、隙を見て改稿を行っていきたいと思う。



 最後に。

 お忙しいところ、的確な感想をくださった芳賀先生に最大限の感謝を。

 本当にありがとうございました!



(2016/06/04)

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