紅紫

木洩れ日が優しく降り注ぐ

5月7日午後3時

いつものカフェテリアと

いつものカフェラテ

ごめんなさい。目を伏せた

雲一つない青空で

太陽は輝く

なんとなく気が付いていて

それでも黙っていた

自分から言葉にすることはできなかった

僕はずるいね。ごめん

それも声にはならなかった


誰もが皆寝静まる

5月8日午前3時

一度も使われなかった

鍵は机の上

大丈夫。顔を上げた

明かりのない部屋で

僕は呟く

生ぬるい風がふいて

窓から入り込む

君の好きな黄色のカーテンが揺れる

なんでかな。つらい

立ち上がる気力もない




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