□時給1k〜

□エプロン、三角巾は貸与（中に着るシャツなどは自前）チェーン店の場合まかないも有償。

□至った経緯

「おいしいごはん（主に寿司）が食べたい」神奈川での某自動車工場就業時、昼勤の定時のみだった事から収入の底上げを図るべく兼業。金も欲しかったが賄いも食べたかったと言う訳だ。基本平日がチェーン店、週末が個人店と考えて貰って良い。居酒屋を選んだのは単に、そこなら鮮魚が食えると思ったからだ。

□業務内容

　厨房：繁忙時間帯の主に洗い場を中心に、お通しやサラダの盛り付け、焼き場、簡単な調理を状況に応じて担当した。主にチェーン店にて。

　ホール：客の注文を受けるだけ。こちらは個人店のみの担当の為、電子機器では無くメモ帳を用いた原始的なスタイル。

　チェーン店の場合、例によって幾つかの衛生項目をチェックするなどした上で厨房に入る。忙しい時間帯の為、溜まった皿類を即座に洗い、自動洗浄機にかけ、その間に他の作業に回る。

　お通しの量が少なければ造り、指示された具材が切れたら次は何を使うかを板長に聞く。他に注文が入れば焼き場で焼き鳥や焼き魚のセットに入るし、それをセットしたら別の料理の盛り付けにも移動する。生物と揚げ物のコーナーには基本的に詳しいスタッフが居座っているから、各人に伺いを立てながら補佐を務めるのだ。

　やがてラストオーダーが終り、22時も半ばを過ぎると閉店の準備に入る。使わないコーナー（揚げ物や焼き場）から順に清掃を行い、油やホイルを交換する。ゴミは一箇所に集めながら、床に水を蒔いてブラシで綺麗にしていく。賄いが欲しい人はこの辺りで様子を見ながら調理してもらうか、自分で行う。なおタダでは決して無く、必ず数百円が給与から棒引きされるので覚悟する様に。

　終業時はタイムカードや、指紋認証を経て休憩所へ戻り着替えて帰る。筆者の場合は3〜4時間の勤務だったから、1日辺り4k程度は上乗せして稼いでいた事になる。

□チェーン店はデメリット

　学生時代以来、久方ぶりの飲食業に就いた筆者だったが、メリットと言えるメリットは特に無いと考えている。というのもバイト初日、控室にバッグを置いた筆者は、担当者に呼び出されるまま着替えるや持ち場に向かった。この時うっかり財布を置き忘れてしまったのだが、終業時には綺麗にお札だけが財布から抜き取られていた。額にして2万。立腹したため即座に警察は呼ばせて貰ったが、結局は出て来なかった。最も盗難の翌週に正社員候補生が姿を消したと聞くから、何となく推し量る事で納得はしている。

　他にも当時の板長が業務中に行方をくらまし、探した所トイレで寝ていたという話も聞くから、相当にブラックな環境である事が分かるだろう。彼は年末を返上し業務に従事しており、精神的に相当な摩耗を強いられていた様だ。

　とまぁこれは筆者の周囲に限った話かもしれないのでこの辺で締めておくが、飲食業に従事する際の検便や、まかないが欲しいにも普通に弁当買った方が安くつく実情など、お世辞にも良い待遇とは言い難い。

□個人店ならメリットもある

　他方、個人店となると話は別だ。支配人の裁量で持ち帰りは出るし、板長が実験作と称し新しい料理を賄いで出してくれる。もちろん客に出す前提で作っている訳だからこれが実においしく、舌鼓を打った事を覚えている。恐らくチェーン店より求人の期間や頻度は少ないとは思うが、筆者の様に不順な動機で店を選ぶのなら、個人店にしておいた方が実りはあるだろう（なおその店では、終業間際になるとお酒も振る舞ってくれた。筆者は一杯で真っ赤になる下戸だった為に恩恵に与れなかったが）

□総括

　繰り返しになるが、賄い目当てで兼業するのなら、明らかに個人店のほうが待遇は良い。というかチェーンの飲食店に骨を埋めようなんて覚悟は到底つきそうも無い。あんな所で心身をすり減らすならまだ期間従業員で安穏と暮らす方が心持ちも穏やかだと思うのは気のせいだろうか。