「あなたの落としたのは金のオノですか? 銀のオノですか?」


……鉄のオノといいかけたところで、すごい回転で鉄斧が飛んできた。


かろうじてよけると、木を2~3本なぎ倒して止まったようだ。


そして、すかさず銀のオノが飛んでくる。ぎりぎりでかわすが、今度は落ちた先を確認する余裕ができた。後で取りに行こう。


と、振り向くと、

額から血をダラダラ流しながら、しかしにこやかな笑顔はくずさない湖の精霊が金のオノを油断なく構えてジリジリと俺にせまってくるところだった。


さあ、うまくかわせば大金持ち、当たれば即死、の分かれ道だ。


俺はゴールキーパーよろしく低く腰を落とすと、全神経を集中した。

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