第17話 人生は紙の上に書いてある

いちご同盟……か

これほどまでに誰かを想うこと

私の人生の中では一度足りとも無い



私は物事に影響されやすい

人に流される、というわけではなく

物語に魅入ってしまうのだ…

フィクションが好きだ

誰も死なずに誰も悲しまない

月曜日の朝 夜更かしの頭が覚醒することを嫌がり

目に映る景色すべてが私を呪う鉄の出来物に視えても……

金曜日の夜 迫り来る休日に期待を寄せつつ

私の惰眠を遮るものがなく耳に入るすべての物音が子守唄のように囁いても……

いつも私の枕元にはフィクションが有る


幼少期から本に触れていた 母の影響だ

17歳になった私は理解できることが増えた

4歳の私にはわからずとも7歳の私には宿題の大変さが理解できた

7歳の私にはわからずとも14歳の私には女性社会の気苦労が理解できた

14歳の私にはわからずとも16歳の私には学生期間という不安定さが理解できた

では17歳の私はどうなのだろう…

年を重ねて、物語の持ち主が何を語りたいのか伝えたいのか

少しずつ理解できるようになってきたが未だに理解できないものがある

誰かを慕う恋だ……心を焦がし身を滅ぼすような強烈な恋


死ぬなんて考えなかった会えなくなるなんて思いもしなかった

祖父がこの世を去った時、私は初めて絶対的な不可能を理解した

どれだけ祖父に会いたくてもどれほど強くそう望んでも……


強い恋を知らない私はこの感情を置き換えて考えた

恋人への情 を 故人への情に置き換えた……

私は悪魔 命を弄ぶ悪魔 

それでも本を読み続けるのはこれからの人生で起きるすべてを正面から受け止めるため…

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