読書は視覚だけで楽しむものじゃない

私は余りというか、全然、本を読まない。


それでも漫画だけは好きで読む。


元々、字だけしかない本を読むのは苦手ではあったけど、子供の頃は図鑑とかを見るのが好きだったし、それから漫画を読む様にはなったんだよね。


そして漫画に関しては10代、20代の頃に、かなり沢山の作品を読んだ。


その後、仕事からあぶれて収入が無くなった事で漫画を買う事が出来なくなり、一切の本に触れる事は無くなってしまう。


そんな私がネットを始める事になり、ネットでは無料で色々と読んだりする事が出来る。


勿論、別に通信費は必要なんだけど、書籍を読む事自体は無料で出来たりするよね。


そして漫画も無料で読めるものもある。


それで実際に読んでみて、思った。


全然、面白く無い。


本で読むと、あんなに面白かった漫画が。


端末の画面で読むと味気無いというか。


恐らく、それは漫画に限った事じゃないと思うんだ。


そして思った。


読書という行為は視覚だけで楽しむものではないのかもしれない。


漫画しか読まない私が、こんな事を言っても仕方がないかな!?


でも、漫画好きだからこそ、よりそう感じる事も出来たのではないか。


例え、文字だけの文章であっても、本を読む事の楽しさは視覚だけで感じるものではない。


ページをめくる音、紙やインクの香り、本そのものの重さや質感。


さすがに味覚だけは関係無いのかもしれないが、聴覚、嗅覚、触覚で楽しんでもいる様に思う。


ただ、視覚以外の感覚で楽しんでいる事を自覚が出来ないだけ。


無自覚のまま、聴覚、嗅覚、触覚でも読書を楽しんでいる。


それがデジタルになり、端末の画面で書籍を読むと、視覚でしか楽しめなくなる。


デジタルが味気無く感じるは、そういう理由なのかもしれない。


そして、そうであるならば、近年、普及が進んでいる電子書籍。


その書籍のデジタル化は、果たして書籍を扱う業界にプラスなのか。


私はそこに大きな疑問を感じている。


確かに、読書をする事が習慣化している方々にとって電子書籍は便利だったりはするのだろう。


しかし、読書をする習慣の無い者に読書を広める点ではマイナスだと思うんだよね。


より読書の楽しさを広める為には、実物の書籍で触れて貰った方が効果的なのではないか。


中途半端にデジタルで読書に触れられる事は、かえって読書の需要を減らしてしまう様にも思うのです。


そして、読書というコンテンツはデジタルで勝負するには分が悪いのではないか。


デジタルの世界で動画やゲームというコンテンツと渡り合えるのか。


勿論、読書の楽しさを知っている方は、動画やゲームにも負けはしないと思うのかもしれない。


しかし所謂、初心者にとっても、そう思えるものだとは思えないのです。


初心者は動画やゲームの方に流れてしまうのではなかろうか。


それも所詮は私が感じるだけ、の事なのかもしれない。


ただ、そう感じている私は書籍のデジタル化に関して、諸手での賛成は出来ないんだよね。


現状、出版社なんかは書籍のデジタル化に力を入れてきている様に感じるけど、それが本当に出版業界の未来を明るくする事に繋がるのか。


私はもっと、紙の本を売る為の努力をすべきだと思うのです。


それは決して楽ではないだろう。


今はデジタル化を進めた方が目先の利益には繋がるのかもしれない。


でも、それが本質的な読書の需要を減らしてしまう様であれば本末転倒。


目先の利益に目が眩み、電子書籍の需要に媚びる事はしない方がいいだろう。


あくまでも、読書というコンテンツの魅力を最大限に発揮する事が出来る、実物の書籍で読書をして貰う。


それが読書の需要を増やして、その中の一部が電子書籍の便利さを享受する。


読書需要全体の数を増やす事で、一部の数も増やす。


そういう方向で考えた方がいいのではないか。


それが供給側、需要側の双方にとって、プラスにする事が出来るのかもしれない。


個人的な私見として、そんな風に思う。


それとも実物の書籍による読書であっても、デジタルの動画やゲームというコンテンツには敵わないのだろうか。


だとしたら、此処で書いた事は全然、的外れなのかもしれないね(苦笑)

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