第17話 カクヨムコンテスト考察(後編)
さて、前回の続きを。
3 審査(コンテスト)の規模はどの程度だったのか?
これを推測する上で重要になるのは『審査期間』と『審査員が読む作品の量』です。
コンテスト全体の結果は、公式発表によると以下の通りです。
応募総数:5,788作品
最終選考:185作品
大賞受賞作:7作品
特別賞受賞作:19作品
読者選考通過が3%程度なので、1次審査なのにかなりの狭き門ですね。
恐らくこの最終選考185作品という数字は、審査員が実際に読んで審査可能な数として算出されているのではないでしょうか。
185作品を4月7日~5月中旬までに読んだとするなら、1日で1人1作品
読んだとして5~6人程度が必要でしょうか。そして5~6人程度が読んで、選出した幾つかの作品をみんなで協議して受賞作品を決定する感じかなぁ……。
うぅむ……。
こう言ってはなんですが、ちょっと規模が小さいですね。
定期的に行われる中堅レーベルの新人賞よりずっと小さい。
応募数の多さは電撃大賞並で、1次突破率はガガガ大賞よりも遥かに低いのに、実際に作品を読むプロの数はどこよりも少ない(評価シートも無し)。web小説大賞って、どこもこんな感じなのでしょうか?
しかし! なんと賞金総額は大賞7部門で『700万円』!
大賞該当作品なし、という部門も無かったので凄い大盤振る舞いですね。
正直、コスト的に継続できるのかな? という心配さえしてしまいます……。
何故なら、例えば1冊1000円で1作品辺り1万部売れたとしても、印税が10%なら賞金含めて原作者に200万払う事になります。つまり、1冊あたりの内訳が原作者へ200円(賞金込み)、原価300円、小売(取次ぎ込み)300円程度で計算すると、出版社は残りの200円の利益(固定費抜き)となる訳です。
編集者のコストを抑えているとしても、カクヨムというサイトの開発費や維持費が存在する訳ですし、1万部を下回れば、比率がどんどん歪になるし……。うぅむ。オーバーロードのような大当たり作品や貴重な作家さんが在るといいんですが、売れないとそれなりにリスキーな商売ですね。今後の売り上げなど、コンテスト後の動きにも注目です。
(※上記数字は予想であり、正確な数字は知りません)
さて、私が今回のコンテストで思った事はこんな感じでしょうか。もし再びコンテストがあった場合の参考になれば幸いです。
今度は何をすればカクヨムの読者数を増やせるかを考察してみるかなぁ……。
それでは機会あればまた後日。 ノシ
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