現実とは悪魔だ、運命とは作為だ、奇跡とは絵空事だ。(6)
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「人間?」
『ソウ。人間ダ』
「俺も見たぜ。殺しちまったがな」
「俺様も捕まえて喰っちまったぜ」
「『愚行』。貴公ら、少し遊びが過ぎやしないか?
『滅殺』。一刻も早く人間を全滅させるべきだ」
『ソウイヤ、一幸ノ姿ガ見エナイガ?』
「『不在』。あいつはまだ帰って来てない」
「あのノロマ狼が! またろくでもない事考えてんじゃねえのかぁ?」
「誰がノロマだって?」
「一幸!?」
「……これは…………?」
「クククッ、ちょっと面白い事思いついてよ」
『ドウセ、ロクデモナイ事ナンダロウ』
「まあな。だが、ロクデモナイからこそ胸が高ぶるってモンじゃね?」
「相変わらずだなテメエは」
「秘密兵器……ってヤツか?」
「いや、そんな大それたもんじゃねえがな。 まあ”兵器“って意味ではそうだな」
「とりあえず、”それ“の内容を聞かせてもらおうか?
貴様が気に入ったという事はそれなりの力を持っているのだろう?」
「ま、そうですね。意外にやりましたし」
『マア、問題ハコレガ、見ル影モナイ無様ナ姿ニナッテイル。トイウコトダガ』
「あ、それに至っては
「まぁ、お前らみたいに? ボスの足を引っ張る役立たずにはなって欲しくねえがな?」
「テメー! 今なんつった!」
「『静止』。
「ハン! 蛇野郎がぬかしてんじゃねぐっ!?」
「……『制裁』。いい加減にしておかないと……『殺す』ぞ?」
「……わ、わかったよ……俺が悪かったよ、すまねえ……ぐげぇ」
「では緑田一幸。その考えとやらを発表するんだ」
「はーい」
『……フ…………』
とある島のとある場所で、いくつかの影がなにやら話をしていた。
”そこ“は、真っ暗という言葉が似合うような暗闇で、そいつらの姿は確認すらできなかった。
が、その人間らしからぬ何かが、人間らしからぬ会話をしていることだけは確かだった。
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