第17話「ダンジョン」
【おいでよ♪ 先が見通せない悪魔のダンジョン!】
俺達がたどり着いたダンジョンの入り口にはそんな看板が立てかけれてあった……
「おい……これが噂のダンジョンとやらで間違いないか?」
俺の質問にマリアが偉そうに頷いた。
「そうよ! ここが昔、魔王軍の幹部の一人が練習で作ったと言われているダンジョンよ」
「なんか、メチャクチャ不吉なダンジョン名が書かれてますね」
「てか、ダンジョンってこんな看板が立てかけれているもんなのか? 何か、俺の知っているダンジョンと違うんだけど……え、入場料とか取らないよね?」
俺とるりりんが疑問をもらす中、アプリはこんなヘンテコな雰囲気のダンジョンを見ても
平然としていた。
「ふむ、確かダンジョンにこんな看板が付いているのは見たことも聞いたことも無いが、ここは練習で作られたとはいえダンジョンとして名は広まっているのだし問題はないんじゃないか? マリア、特に死者が頻繁に出るダンジョンでもないんだろう?」
「ええ、たまにダンジョンに潜り込んだ見習い冒険者がヒールを求めて教会にやってくるけど、そんな死ぬほどの人は来たことは無いわ。
大体の人は軽い怪我程度ね。何故か皆ダンジョンへの悪口を呟いていたけど、そこまで危険なダンジョンじゃないはずよ」
「そうか、ならいっちょ入って見るか」
「ま、マサヤ……そんなに簡単に入って大丈夫ですか? ここはもっと情報を集めてから……」
「なんだよ、るりりん。炸裂魔法がダンジョンで使えないからってビビってるのか?」
俺が軽く挑発すると、るりりんは簡単に乗ってきた。
「ぬなぁあ! マサヤ、この私に向かって今ビビってると言いましたか! いいでしょう……そこまで言うのならそのケンカ買いますよ! この私がダンジョンごときで炸裂魔法をためらうような性格かどうかその身を持って証明して見せましょう!
黒き太陽よ……煉獄の海に眠る業火よ!」
「どわぁああああああああ! バカバカバカ! るりりんのバカァアアアア! 頼むからこんなところで炸裂魔法を詠唱し始めるな!」
「ぎゃあああああ! マサヤさーん! ちょっと、るりりん目が本気なんですけど!」
「待て! るりりん、落ち着け! マサヤだって本気でお前の事をビビっていると思っているわけではないんだぞ! な、なあ、マサヤ!」
「おうおうおう! だから、詠唱を止めろって言ってんだよ! この……フラッーーーシュ!」
「ぎゃああああああああああああ! 目がぁああああああああ!」
「うきゃああああああああああああ! ま、マサヤさあぁあん! 私達も目くらましの撒きぞえくらってるんですけど!」
「がぁああああああああああ! き、騎士は……流石に騎士と言えども光は受け流せないぞ、マサヤァアアア!」
そうやってなんやかんやで俺達はダンジョンの中へと入っていった。
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