第1章《闇に潜む破壊者》2節《不穏な空気》

都市の中にあるスカイドラゴンハンターズギルドホーム【蒼穹の館】。

蒼い館の中にある様々な色を宿した魔法玉石マジック・アイテムが並ぶ大広間で、レイナは18階で起きた異常事態ありえないはずのことについて、ギルドマスターのハイルに報告する。

「マスター、先ほど安全階層セーフティポイントのはずの18階で、通常規格を上回る強さの階層主が出現しました。LV,5相当でしたので討伐しましたが」

「なっ、、、本当か!?」 さすがに狼狽うろたえているようである。

「はい。天井の空水晶も派手に壊して現れていました。どうやら階層を無視してポップしたようです。」

「わかった。この件は私が上に報告しておく。内密にしておいてくれ」

この件はとりあえずこれでいいようだ。レイナは大広間にいる他の仲間たちのもとへと戻っていくことにした。

またここではいったん省くが、この後レイナと弟のコウガとで討論じみた言い争いが行われたようである。。

★★★★★★★★★★★★★★【臨時神族会議】★★★★★★★★★★★★★★★

そのすぐ後に、バベルで臨時の神族会議が開かれていた。

ロキ「安全階層のはずの18階に、通常規格を上回る強さの階層主レア・ゴライアスがポップしたと」

ヘファイストス「こんなことは私たちが降りてきてからは初めてだわ」

アルテミス「やっぱり、あれらが関係しているのかしら。」

ヘルメス「最近深層域で、よく【極彩色のモンスター】が出現していることか?」

フレイヤ「やはり闇派閥関連かしらね。件の暴走精霊を抱えているっていう」

アポロン「十中八九、間違いないだろう。いずれ大惨事になりそうだ」

ヘカテ「早くつぶした方がいいわね。「遠征」できるかしら?」

ロキ「俺のところと、アルテミスのところでいいか?」

ガネーシャ「問題の階層は深層域の80階だ。妥当だろう。」

アルテミス「わかったわ。すぐに知らせておくわね。」

そのあともしばらく神々の会議は続き、ロキが「じゃまた次の時にしようか」と言ったのを最後にして、臨時神族会議は一旦の幕を閉じた。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

スカイドラゴンハンターズギルドホーム【蒼穹の館】内部にある、《第1級冒険者》しか立ち入れない部屋では、レイナと仲間たちがいた。

コウガ「てか、本当なのか?姉貴。【暴走精霊】ていうのがいるって」

レイナ「そうよ。最近、極彩色のモンスターの大量発生が頻発しているのも、通常じゃありえないことが起きてるのもたぶんそれのせい。」

ハルヒ「モンスターに食われ、その在り方を逆転させた精霊ですか。。」

レイナ「ただ喰らい、そして力に溺れるだけとなったただのモノ。」

アキ「その・・問題の精霊がいるのは何階なんですか?」

レイナ「無限ダンジョン現在時点での深層域、80階と聞いたわ。」

コウガ「確か一回行ったことなかったっけな?」

ハルヒ「確かその階には竜族ドラゴンが多かった気がしましたが。。」

レイナ「確かにそうね。過去の記録には80階あたりは【竜の壺】と呼ばれていたと書かれてあったわ。」

アキ「ゼウス・テラリアとヘラ・テラリアの記録ですか、、」

ちなみにコウガはレイナの弟で、姉と同じ黒い髪と銀の毛並みを持っている。魔聖剣を砕かせずに普通の剣と同じように扱える異能レアアビリティをもっていた。LV,は10。

ハルヒは魔水晶森妖精クリスタルエルフと呼ばれる森妖精エルフの上位種族の少年で、特に支援・領域系の魔法に長けていた。LV,は9.

アキは金の髪に赤い毛並みの猫人キャット・ピープルで、イルメリア内で保持者発現者数人の、特にレアな魔法レベル・ブーストの保持者の一人である。LV,はハルヒと同じ9.

リリス「おーい、そこ全員、ハイル様が呼んでるよー!」

レイナ「わかったー!すぐ行くわねー!」

ハイルから呼び出しがかかったので、全員でギルドマスター専用部屋ルームへ向かう。

ハイル「急ですまない。暴走精霊&闇派閥討伐のための遠征に、ロキ・テラリアとアルテミス・テラリアの精鋭が行くことになっているのは知ってるよな?」

レイナ「はい。でもそれがどうしたのでしょうか?」

ハイル「どうにも嫌な予感がしてならんのだ。なかなかぬぐえないんだ、それが」

コウガ「わかりました。取り合えず追いかける形で行きましょう。」

ハイルは生まれつき、【天啓】のアビリティを持っている。なので彼の【予感】は外れたことがない。それを知る団員たちは、彼の予感に絶対の信頼を置いている。


取り合えず第2節はここまで。次回第3節【出発】になります。



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