自虐家は語る

一齣 其日

自虐家は語る

物語の主人公には到底なれやしない。

でも、自分の人生の主人公はいつだって自分でしかない。

人生じゃ自分こそがメインであり、ヒーロー。

人生は自分次第でどうとでも変わる物語。

自分が何になろうと、自分が自分を貫こうと、それが人生であり、それが自分だけの物語。

誰かにどんな何かを与えようとも知ったことじゃない。

笑われるだけ笑われて、面白がられるだけ面白がられても、自分には関係ない。

ただのオプションに過ぎないんだ。

勝手気ままに笑われておけ。笑い者にされておけ。

これが自分だと言えればいい。

これこそ自分だと、言い張ればいい。

こんな、あんな、そんな、自分。

自虐的に語っても、これが自分だ。

自分を虐めるだけいじめて、抉るだけえぐって、痛みが染み込んだぶん前へ進めればそれでいい。


「これが、自分だ。八坂士十やさかしじつだ」

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