先生、頒布は営業に含まれますか?

 お久しぶりです。筆者です。

 おかげ様で文フリとティアが無事終わりました。今は四月に絞った分の仕事が雪崩を打って押し寄せ、疲労も困憊としております。


 で。いっとき筆者、イベの宣伝を行う為にユーザーネームやら近況ノートを弄っておったのですが、そんな折でした。ノートに一つのコメントが届いたのは。




「それは規約に違反してるんじゃないですかね(要約)」

 二十八日の近況ノートを御覧頂ければお分かりになるのですが、当時のやり取りはそのままに残っています。


 最初は特に問題も無いだろうと考えていましたが、次の返信でソースを示されるに至り、ようやく利用規約抵触の可能性について思いを巡らせる事になりました。


 個人的な考えとしては「小説の執筆活動と関係の無い告知・宣伝」がNGという認識でしたが「利用規約、第12条(営利目的利用の禁止)」に触れる恐れがあるという訳です。


 元々pixivで「お品書き」(即売会に出品する創作物を、簡易にまとめたもの)に慣れ親しんでいる筆者としては「おいおい何を言ってるんだこの人は。余程の暇人なんだろうが、これはいっちょ公式に問い合わせて身奇麗にしておこう」程度の考えで、文学フリマ前々日の忙しさに殺された思考回路でメールを返しました(そりゃあもう「特に問題無いですよ」の返答に期待しながら。※ノートにコメントを下さった方は、筆者のフォロワーでは無い方でした)


 ところが運営様から返ってきた答えは「同人誌即売会等への出品、その告知については、営利活動とみなし容認出来ない」との正に青天の霹靂の内容。ユーザーネームについては特に指摘はありませんでしたが、ノート内のテキストを「頒布」のみに留める様に指導がありました。


(マジか……一次創作で権利は全部自分が持ってて、且つ赤字前提の即売会すら告知NGなのか……一体カクヨムって誰のためにあるんだ……)


 いや実際、物語を愛するすべての人の為ではなく、カドカワ様の利益追求の為にある事は薄々と感づいていましたが、名刺の印刷に製本の受け取りと、山積の課題に回らない頭で仕方なく筆者は、記事を修正してイベントに臨んだのです。


(そりゃあだって。オレオにしてもハートフルストーリーにしても、気に食わないと思えば何だって理由を付けてランキングから外したり削除したりする様な運営ですよ。即売会前に消されでもしたら大変じゃあないですか) 




 五月二日。インクを認識してくれないプリンタと仕事の狭間で、来る五日のティアの準備をしつつ、さしあたってコメントにのみ返信「頒布ならばOKらしいですよ」と。




 そして五月六日。全てが終わった筆者は、各方へのメールの処理の最中「いやあ然しよくよく考えれば運営さんも、GW中にあんな詰まらない質問に答えて頂いて恐縮だったなぁ」などとの思いから、テンプレではありますが謝辞の一言を送った訳です。


 ところがいざ帰宅してみると、さらに追い打ちをかける様に運営様からのメールが「いやいや、頒布もNGです。ついでに言っておきますが、作品の紹介に文学フリマに用に書きました。って一筆もNGです(要約)」と。


 どうやらあの日疲れていた筆者は勘違いをしていたらしく、実際には頒布の表記すらも駄目だったらしいのです。うおお?って感じです。そもそも即売会って商業=営利目的では無い(という或いは前提の下に)頒布という単語で許されている側面がある訳じゃあないですか(この辺は個々人や企業間の解釈がバラバラですから、一概には言えませんが)


 まぁ二次創作なら分かります。あれはグレーですからね、ええ。グレー。

 が、こちとらそのグレーが嫌で自分が権利を全般に持つ一次創作でやっとる訳です。二次より圧倒的に需要が無く寂しい代わりに、全ての権利を自身で叫べる。そりゃあれっきとしたホワイト。アイアムアホワイトですよ。こと権利に関しては。

 

 それがまさか、pixivより後に出来たサービスからNGを喰らうとは……

 文学フリマやコミティアに出たことがある人なら分かると思うんですが、あそこに集ってるサークルの殆どは赤字ですよ。それでも自分の創作物を手にとって貰いたくて、プライベートと私財を削りながらやってきている訳です。


 来る人も同じ。物語を愛する人っていうのは、ああいう場に足を運んで、自分の気に入った物語に対価を払って帰る人達のことを言うんじゃないでしょうかね。そういうイベントに対する告知や宣伝すらも営利だから駄目だってのは、一体どの方向に頭が向いてるんだと首を傾げてしまいます。

 

 最も「いやいや、イベントに出る事自体が将来的には営利目的であると言えるし、宣伝行為と考えられるじゃないか」という「客観すらも主観の一つに過ぎない」といった様なクソ哲学めいた揚げ足取りは可能とも言えます。


 しかし原理主義的に捉えれば、こと社会人になってからの行動の選択は殆どが自らの営利目的です。むしろそれが出来ない大人は出来損ないだと言って差し支えがない。たとえば企業による募金活動ですら、一つのイメージアップ戦略と考えれば立派に営利目的・宣伝活動な訳で。一介のワナビや、或いは商業には載せられないからと即売会に同人誌を持ってくる一次創作者までをも営利と断じるなら、後にはもうコンテンツの芽も無いでしょう。


 


 カクヨムに関して言えば、何度も触れている通り書きやすさは随一です。

 ですが運営方針を顧みると、自由性に乏しく、鎖国的になりすぎているきらいがあります。


 ニコニコと連携し、TwitterやFacebookでの拡散を希望し、もっともっとサービスの周知を図らねばならない現状で、即売会に向けた告知を禁止する理由は一体どこにあるのでしょうか。


 今回頒布した雑誌の奥付に記した筆者のURLは、カクヨムのそれです(pixivに投稿した新刊のリンク先も、エブリスタに投稿した文フリカタログのそれも)


 これは筆者自身が、カクヨムを小説発表のプラットフォームとして最上位に位置づけている事の現れでもあります。デザイン(検索機能を除く)読みやすさ。総合的に斟酌し軍配をあげるならやはりカクヨムです。


 今後の方針の中で「カドカワの枠を超えた」現実世界とのリンクが、便利になっていく事を切に願います。


 それでは今日はこの辺で。

 かしこ。




 ※付記:他小説投稿サイトの、文学フリマとの連携について。

 小説家になろう:2016年5月31日より、文学フリマ賞を開始。

 エブリスタ:文学フリマカタログとの連携を継続中。

 pixiv:お品書き掲載の場として使っているユーザーが多い。


 こんな所でしょうか。

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