二発目『僕の妹はバケモノです』 鹿角フェフ(ホラー)

 いやぁ、どうもどうも。

 もうちょいでランキングが実装されるってのに、この人まだ続けるの? 

 そう思った奥さん、アナタは正しい! そしてアナタは美しい!


 えーっと……このサイトって……カシコミだっけ? とりあえずサービスが開始してから5日くらいが経過しましたが、人気作には人が流れ始めましたねぇ。

「3月8日にランキング実装されるから! おめぇの需要なんてねぇから!」って声が聞こえてきそうですが知るかボケー!

 ☆の数が全てじゃねぇってことをオマエらに教えてやるよ。まぁ、これから紹介するのは☆115の人気作なんだけどな!


 それでは二作品目を紹介したいと思います。

 

タイトル:僕の妹はバケモノです

作者  :鹿角フェフ

URL  :https://kakuyomu.jp/works/4852201425154929290


・あらすじ


何の変哲もない高校生、梔無 暁人(くちなし あきと)。

ある日の朝、彼は懐かしいことに誰かに起こされる感覚を覚える。

だが彼は気づいてしまう。微睡みの中、嬉しそうに微笑むのは死んだはずの彼の妹だということを。

まるで妹に誘われるかのように、その日より暁人は信じがたい恐怖に巻き込まれていく。


これは無力な人間たちが『悪夢』と呼ばれるバケモノが密かに存在する世界で、ただ絶望に飲まれ続けていく話。

(※上記のあらすじに関しては作者様のページより抜粋させて頂いたものです)


 一作目で義妹に飛びついたかと思うと、今度はガチ妹に飛びつく節操のなさ!

 もしかしたら俺はカクヨムで妹を探しているのかもしれない……と自分を疑いましたが、たぶん違うと信じたい。

 そういえば4つ離れた弟に「なんでオマエ妹じゃねぇの」と文句を言ってアニキとしての尊厳を失った経験があるのですが、そんなことはどうでもいい!


 そんなよりも、この妹を見よ! 

 梔無夢衣くちなしゆいちゃん! 

 タイトルからわかるように、普通の妹ではございません。


 面白い小説ないかなぁとサイトの中を徘徊していた私は、お兄ちゃんを起こしている彼女と出会いました。

 ほうほう。まぁベタだけどベダだからこそ妹にはこんな風に起こされたいよね、なんて鼻の下を伸ばしながらツラツラと作品を読み始めたんですが。

 コイツがとんだ罠だったんですね。いや、あらすじを読まずにキャッチコピーだけで読み始めた私が悪いのですが、なんとこの梔無夢衣ちゃん………… 

 既に死んじゃっているんです。キャーーーーーーーーー!(ガラスの割れる音)


 この作品は、夢衣ちゃんの兄であり主人公でもある梔無暁人くちなしあきとを語り部とした一人称視点での物語です。

 上手い具合にライトノベル的なフォーマットを用いつつ、良質なパニックムービー作品的な手法で物語を展開していきます。最初に小さな異常があって、それがドンドン膨らんでいくっていうアレですね。

 死んだはずの妹が生きている。日常が異常に変わりました。猟奇的な殺人鬼が街を徘徊している。異常が大きくなりました。そして殺人鬼との接近。更に異常が大きくなりました。

 

 こうやって書くと簡単そうに見えますけど、ソイツはただの箇条書きマジック。

 力量のない人が書いちゃうと、「おい、それより妹が生きてる理由をハッキリさせろよ」ってイライラしちゃうんですよね。

 その点、作者である鹿角フェフ氏は、見事な筆さばきでストーリーラインに読者を乗っけていってくれます。これが見事なんですねぇ。

 ようは、ですね。何が正しくて何が狂っているか。ソイツがわからなくなって、スッキリしたい読者が話にグイグイ付いてくる仕組みが備わっているんですよ。

 

 まぁ、生きていようが死んでいようが、夢衣ちゃんが可愛いから別にどっちでも俺はいいんですけどね!

 むしろ妹なんて死んでからが本番。一度は蘇らないとダメでしょう。普通の妹になんて興味もてませんよ、今さら。え、オマエの妹って死んでも蘇らないの? 死んで蘇らない妹とか小学生までだよねぇ。

 さて、私は何を言いたかったのでしょうか? 


 あぁ、そうだ。殺人鬼だ。

 数行上で書きましたが、この作品の面白い部分ってソコなんですよ。

 妹が死んでます。なのに蘇りました。するとね、殺人鬼が出てくるんです。

 なに言ってるのかわからないでしょう。大丈夫。わからないままで問題ないんですよ。なぜ問題ないかって? 

 なぜならば! ……いや、これ以上は言えない。私が言えるのは、この作品は『僕の妹はバケモノです』ってタイトルだってことだけです。ほら、色々と想像力を掻き立てられません?

 このお話、気になってきたでしょう(策士の笑み)

 

 この文章を書いている今日現在では、Episode『In Nightmare』のBeautiful DaysⅥ ― Come ―まで公開されています。今は謎出しの段階ですね。

 つまりは! 追いかけるのにベストのタイミングなんですよ。最新話にて、殺人鬼と遭遇する直前まで公開されております。「この先どうなっちゃうの!?」って状態で、ベッドの中でアタフタできちゃう最高のタイミングなんですね。

 

 そしてなにより。


 妹に起こされたいお兄ちゃんたち! アナタたちは無機質な目覚まし時計の電子音で目を覚まして満足ですか? 違うでしょう! 

 アイ・アム・ゴッドチャイルド! デジタル音で目を覚ますために生まれたんじゃない! 我々が目を覚まして最初に耳にすべき言葉はなんだ!

「お兄ちゃん! 起きて! ねぇ、お兄ちゃんってば!」

 これ以外に断じてないでしょうが! それが叶わないならば――

 ――俺自身が妹になるのも吝かではない。


 気になられた方がおりましたら、ぜひ一読のほどお勧めいたします。




 

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