プレゼントと共に

 どんより どんより くもり空

 はらはら はらはら 降りてくる

 特別な日だからおめかしするんだ


 森の友達みんな眠っちゃって

 風だけがやたら積極的で

 ちっちゃなちっちゃな女の子

 今日も街までやってきた


 山も家もみんな白く染まってく

 もうすっかり砂糖菓子の世界です

 ぼうっと淡く光っているよ


 女の子は待っている

 年に一度の友達待っている

 曇り空が晴れてお月様にハレ姿を披露する頃

 どこからか鈴の音と共にやってくる


 あれほどしつこかった風もいつの間にか居なくなっちゃって

 神様が音のボリューム入れ忘れたみたい

 しんしん静かに更けていく


 ちっちゃなちっちゃな女の子

 白い息で手を温めながら見上げてる

 まっさらな月の向こう もうそろそろ聞こえてくるよ


 街も家の木々もおもてなししてる

 ピカピカ チカチカ だまって光ってる

 お星様だって光ってる

 女の子が手をふっているよ

 ほうら あの空の向こうからそりの音が

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