金平糖 六腑の譚
旺璃
プロローグ
その遊郭は、外観こそなんら変哲もない高層ビルだったが、いざ正面から入場してみると、初めの始めから見世物のようだった。番台には黒い
「ご用ですか」
異様な姿にたじろいでいると、ぶわぁっと煙が
「初めてか、名前・電話番号・区民番号。それと鞄、あっちで、見ます」
ペンでがりがりと必要箇所に
「――は、どのくらいで空きますか」
大きく影が出来たので、つい好奇心に負けて横を向くと、岩のような大男が立っていた。身長は2メートルを優に超えているだろう。肉食獣の牙が見える。指先で人が殺せそうだ。店が店なら客も客だ、と思った。すっかり気がめげてしまった私は、スミマセン、と謝りながら逃げ帰った……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます