王道で何が悪い? 熱血で何が悪い? プロレスで何が悪い!?

古橋ケンタが江戸時代にタイムスリップして、バッタバッタと悪人共をなぎ倒す。ここまではよくある異世界トリップもの。タイトルもいかにもな感じです。
しかし、軽いタイトルだと侮ることなかれ。
読めば読むほど、物語が『生きて』くる、登場人物が『生きている』様に錯覚させる構成に、プロレスの所謂『受けと魅せの美学』が加わることで言葉では言い表せないほどのシンパシーが生まれ、結果として読了した後はまるで一本の大作映画を観たかのような余韻に浸れる。
加えて、プロレスファンなら元ネタが解ると思わずニヤリとするような小ネタの数々も良いアクセントとなっていることも、述べておこう。

もし、あえてテーマ曲を付けるとしたら、『Grand Sword』で決まりだろう。