戦争編

4−1

「ねえ。」

 翌朝、メラマは剣を磨きながら言う。

「わたしたち、生きて帰ってこれるよね。」

「ふふ。」ジョーは藻の混じった泥を自分の身体に塗りながら軽く笑う。 「それはこれから俺たちが決めていく事だ。」

「そう・・・。」

「しかし、いい状態だと思わないか?ランバーは死んでしまったが、彼の遺志でみんなの結束が固まる。今まで怯えていたゲルマも本当の自分に目覚めた。失われた六戦士団の二人もレリビディウムからペンドリヒとクイーナが加わってくれた。」

 名前を言われた二人がニコリと微笑んでゴミ捨て場の保護服のイミテーションを着る。 それを見てメラマは言う。

「あたし保護服がよかったな。泥塗らなきゃいけないなんてイヤ。」

「俺たちは剣を扱う主戦力だ。動きやすい格好の方が何かといいだろう。」

「むー。」 ドアが開いた。ゲルマが現れた。

「城の様子を双眼鏡で見てきた。ゴミ捨て場にはあまり人がいない。行くなら今のうち が一番いい。」

「よし来た。では、皆、早速出発だ!」

 袋のような保護服を着たレリビディウムたちが「おおお!」と声を上げる。




 さて、同じ頃に王は港に立って歩き回っていた。この日、新しい7人のアルゲバ王のクロー ンの入った棺が南の島から船にのってやってくる。彼らとまもなく対面できる期待のあ まり、気持ちが落ち着いていなかった。とりあえず家来を一人殺しており、死体は海に浮かべている。時々それをつついて遊んだりしているが、だが、それでも落ち着かないらしく、ああ畜生と頭を抱えている。

「お城の事は機械のあの子に頼んであるから大丈夫だよォ」

王は自分に言い聞かせる。

「きっと反逆者は皆、死んでくれる筈だ。」

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