第十七話

 大陸暦100年7月24日、夕方


 陽菜の人間離れした行動を見たところで、夕飯の時間となった。と、そこで陽菜が


「あ、料理も私やるわ。」


 と、言ってきた。メアは、結構大変だったようでとても喜んでいた。そしてメアと陽菜は台所に引っ込んでいった。


「お兄ちゃん、どんなものができると思う?」

「さあ…あっちでは料理普通だったからなぁ。」


 時々作ってくれてたから、覚えている。

 作ってくれた時はいつも、「つ、作り過ぎちゃっただけよ!」って言ってたけど、嬉しかったので鮮明に覚えている。


 と考えていると台所からメアが飛び出してきた。涙目で。


「うわぁぁぁぁぁん!」

「どうした!?メア、なんかあったのか!?」

「ヒナが、ヒナの料理がぁぁ!」


 ま、まさか……


「お兄ちゃん、嫌な予感がするよ。」

「ああ、同じくな。」


 これは……


「みんな〜、出来たわよー」


 きた……!

 それを見た時、俺とリリィは絶句し、メアは俺の後ろに隠れた。

 なんとか言葉を発する。


「あー、うん。聞きたいことがある。」

「優太。できれば聞いて欲しくないけど、なに?」

「なんで一つだけ虹色に輝いているんだ!?」


 彼女が作ったのは野菜をふんだんに使った、向こうのサンドウイッチそのものだ。

 それが、何故か一つだけ輝いていた。虹色に。


「わ、わからないわよ。なんか、ちょっと気合い入れたらこうなったのよ………」


 ステータスは、こういう日常生活にも発揮され、器用は料理などに反映する。その器用が510と人間離れをしているために、本来出来ないであろう事も出来たりするのだ。

 しかし………


「料理が虹色に輝くっていうのは、どういう事なんだ…」


 ベクトルが違いすぎるだろ。


 ちなみに、メアは魚を使った料理だった。

 え?詳しい説明?……料理わからないんだ…俺…。


 みんなで美味しく食べつつ、やはりみんなが手を出さないモノがある。

 まあ、当然輝くサンドウイッチだ。

 陽菜も手を伸ばそうとしない。


 地球では『じゃんけん大会』なる物をするものだが、ここでは、じゃんけんにあたるものが存在しない。

 ではどうするのか。………当然闘いとなる。

 二組に分けて闘うこととなり、


 地球組v.sラヴィーヌ国組


 で組むことが決まった。


「いいのかメア。こっちには勇者がいるんだぞ?」

「勇者といえど、経験無いならまだまだガキよ。」


 この自信、どこから来るのだろうか。

 その答えはすぐに出る事となった…

 メアがコインを取り出して、告げた。


「このコインが地面に落ちた時がスタートな。」


 これに文句をつけるバカはいないと思う。


「わかった。」

「わかったわ。」


 承諾すると、メアはニヤリと笑った。


「その言葉、忘れるなよ。」


 そう言うとメアはコインを地面に叩きつけた《・・・・・》。


「な!?」

「何を呆けてる。もう始まっているんだぞ?」


 そんな声が右後ろから…って陽菜を狙う気か!


「させる「やっぱり勇者は硬いな。なかなか気絶しない。」かって、終わってんのかよ…」


 1対2か。


「とりあえずは、1対1に持っていかなきゃ………な!」

「!?」


 リリィに向かってファイヤーボールを放つ。


「詠唱破棄だと!?」


 あー、なんか出来ちゃったっぽいな。まあいいか。


「こ、こんなもの!子供でも避けられる!」


 そうだろうよ。遅く放ったんだから。本命は……!


「ふん、まだまだだねお兄ちゃウェ!?」


 その後ろに忍ばせていたフレイムランス、と見せかけて……。


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フレイムランス

消費魔力:20+50

対象に、炎の槍を飛ばす。魔力50を足すことで、軽い追尾機能を付与可能。


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 きちんと追尾機能もつけている!これでリリィはそれに目を向けてしまう。だが、このルールは『殺さず』だ。フレイムランスなんて当てたら殺しかねないからな。ウォーターボールでフレイムランスを消し去る。


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ウォーターボール

消費魔力:5

水で出来たボールを出す。勢いをつければダメージを与えられなくもない。


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 ジョワァァァァァ…


 火を水で消したことによって、湯気が立ち、周囲の視界を悪くする。


「…!こんなもの!」


 リリィは風魔法で湯気を散らしたようだが、その一瞬さえあればいい。


「眠ってろ。」

「…っ!」


 リリィの後ろに回り込み、首筋に手刀を…


「戦い方はいいが、私がいることを忘れるな。」


 落とす前に、その更に後ろにいたメアに気絶させられた。


 嘘だろ!?




 結局、俺が食べることになった。え?陽菜との勝負をしていないじゃないかって?


 ………したさ。瞬殺されたさ。

 あのステータスに勝てという方がおかしい。


 ………メアはこの際置いておく。


「輝く食べ物を食べたことが無いんだよなぁ。」

「いいではないか。輝く食べ物。美味しそうで。」

「いや、物理的に輝かれてもねえ。」

「お兄ちゃん、とっとと食べる!」


 はいはい。


 はむっ


 …………………美味い。美味すぎる!


「やべえこれ、マジで美味い。」


 試合に負けて勝負に勝ったとは、この事だ!


「「「ごくりっ。」」」


 案の定つば飲んでるよこの人たち。


 ハァ……分けますか。

 分けたらとても喜ばれた。

 これ、俺が傷めつけられただけだね。




 そしてその夜。召喚魔法を使い、無事日本刀を手に入れた。


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【神野優太の日本刀】


神野優太が手にした時、その効力を発揮する。

筋力+50

敏捷+50


効果

不壊

メンテ要らず

切れ味増加


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 ………いやうん、凄いんだけど、なんかダサいな。名前とか名前とか。


 とりあえず、これを装備してアイアンソード絶は陽菜にあげることにした。

 ちなみに、何を装備してもステータスは変わらないようだ。


 やることやったので、魔力全開放して寝た。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


名前:ユウタ ジンノ

種族:人間族、異世界人

ステータス


レベル50


体力…700/700

魔力…670/670

筋力…213(+50)

敏捷…219(+50)

耐久…221(+3)

器用…178

精神…225

意志…216

幸運…7


装備

神野優太の日本刀

革の鎧



スキル

鑑定Lv2


詠唱破棄Lv1

魔法の詠唱を破棄できる。消費魔力がスキルレベル×100以内の魔法でしか使えない。


魔法

光魔法Lv1

 ヒール

 ハイヒール

 聖域サンクチュアリー

 フェアリーソング

 フラッシュ

 ホーリーソード

炎魔法Lv3

 フレイムアロー

 フレイムランス

 フレイムウォール

 ファイヤーストーム

 ファイヤーボール

水魔法Lv2

 記憶操作

 ウォーターボール

風魔法Lv2

 エアーカッター

 

木魔法Lv1

 ツリーカーニバル

 ドレインシード

雷魔法Lv2

 ライトニング

 サンダーボルト

 トールハンマー

 スパーク

時空魔法Lv5

 転移門

 転移

 アイテムボックス

 召喚魔法

 フィジカル・アクセラレーション

闇魔法Lv2

 ダークボール

 ダークエクリプス

 ブラックドレイン

 


複合魔術

 風+光:閃光弾

 

 

 

称号

異世界人


武術の心得



残金:558540


ギルドランク:D

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