ただ夢を見た

深喜

発端

 男は逃げていた。迫り来る何か、から……ひたすら……!


 ぬかるんだ山道ははやる気持ちを嘲笑うかのように足元を絡めさせ、激しく転倒させる。

 強かに打ち付けた体には、泥が跳ね返った。


 背後を取られたと気付いた時には、もう遅い。

 微かに振り向いた先。その目に最期に映ったのは……


「うわぁああぁぁぁぁぁっ」


 そして響くは……恐怖と絶望が奏でる叫び。

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