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    針と糸への応援コメント

    「先の尖ったものを腫れに刺そうとして刺さない」という展開がテンポよく繰り返されるリズムが心地よかったです。
    あまりにも玉羊羹と腫れの立ち位置が類似していたのでよもやそのまま落ちに繋げはしまいな、と思って拝読していたのですが、やはり「それで彼の体表面がつるりと裏返ったとしたらこの手の話としては面白いのだが、現実ではそんなことは勿論起こらない」などとその安直な終結を軽くいなされていたところに、個人的に小さく満足感を覚えました。
    加えて、中途で小道具として登場したに過ぎないライターのくだりからこの着地点を導いた点も、流れの自然さに違和感を持たず受け入れられました。あからさまではないシュールレアリスティックな雰囲気が、結末で綺麗に昇華された感覚です。

    余談:
    最後の(あるいは最期の)体内が糸として解れていくという描写からは、どこか安部公房氏の「赤い繭」に通づるものを感じました。

    それでは。軽妙で素敵な掌編をありがとうございました。 (*˙︶˙*)ノ"