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最近読んだ作品など②――東崎惟子著『竜殺しのブリュンヒルド』(電撃文庫、2022年)

 みなさん、こんばんは。

 わら けんたろう です。

 いかがお過ごしでしょうか?

 今日もやって来ました。最近読んだ作品シリーズ第二回。

 今回ご紹介する作品は『竜殺しのブリュンヒルド』デス。第28回電撃大賞銀賞受賞、宝島社刊「このライトノベルがすごい! 2023」新作部門第2位となった作品です。

 コミカライズ化もされてマスね。

 この物語は、伝説の島「エデン」に取り残され生き延びた少女が、エデンを護る白竜と出会うところから始まります。白竜は少女を娘のように育て、娘はやがて美しく成長します。
 そこへ現れたのが……。

 一言でいえば、たぶん愛と復讐、そして正義の物語?

 ファンタジージャンルですが、どちらかというとダークよりのお話です。確か、著者ご本人の言だったと思いますが、Web小説だったら敬遠されるでしょう、とのこと。

 ……なんとなく、解ります。

 割と、文芸的な表現が多いんですよ。加えて、ちょっとダークで重めの話なので。
 ワタシは割とスキですケド。

 ところで、前回紹介した作品でも気が付いたことですが……、

 登場人物の数が少ない。

 「スパイ教室」では、主要登場人物は多く見積もっても10人(モブ含まず)。

 「竜殺し」に至っては、
 ①ブリュンヒルド……主人公。
 ②白竜……ブリュンヒルドの育ての親のような存在。
 ③シギベルト……ブリュンヒルドの父。ネグレクト父。コミュ障気味。
 ④ザックス……シギベルトの友人で、何かとブリュンヒルドを気に掛けるナイスガイ。痴情のもつれから、元カノに刺されるという悲しい体験の持ち主。
 ⑤シグルズ……ブリュンヒルドの兄。ブリュンヒルド専属の残飯処理係(笑)。

 ……四人と一匹!?

 アイテムみたいなのも、バルムンク、ファルシオン、あとは……、エデンの灰とか竜の鱗とか。

 ふむ。

 教訓:詰め込み過ぎないコト。

 そういえば、ロバート・マッキー「Story」にも、「登場人物の数はできるだけ絞れ」みたいなことが書いてありましたわ。

 10万字程度の作品なら、このくらいの登場人物で物語を回す方がいいのかもしれませんね。
 世界観の大きさに影響する場合もあるので、一概には言えませんが。

 すくなくとも、読者には分かりやすい展開になるでしょう。

 で、「竜殺し」の話に戻りましょう。

 ラストシーンにツッコみたい点が無きにしもあらずですが、エピローグのセリフはワタシのココロに刺さりました。

 ――ありがとう。私のために……(【注】以下、ネタバレにつき略)

 読み応えのある作品です。
 まだの方は、是非。

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