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『雪を溶く熱』わりと長めのあとがき。

こちらは『雪を溶く熱―鬼は泣き、笑う―』https://kakuyomu.jp/works/1177354054897963442のあとがきです。

たまには作品の過程を語るのも面白いかなーと思ったので、そんなことを語りつつあとがきをしていきます。
本編にあとがきを挿入しても良いのですが、どう考えても物語の雰囲気をぶち壊すので止めました。そんなことしたら秋人に殴られます。

まず、こんなに早く次の筆致企画が来るとは思わなかったですし、皆さんの投稿スピードも早くてびっくりしました……!
忙しいから執筆時間もとれるかわからない。どうしよう……。

と、焦りながら物語の最初として思い浮かんだのが、雪に血が舞う光景でした。
また、兼ねてから『鬼』の物語が書きたいという思いがありましたので、主人公つまり秋人を鬼に、そして彼視点で行くことに決めました。

早速、そのまま第一話を書きました。
本当はもう少し血を散らすはずだったのですが、書いているうちに、ナイフを突き刺すことになったのでなくなりました。突き刺すだけだと血が跳ねないんですよね、抜いたらバッと出るんですが。
今思うとこれで正しかったと思います。私は血の描写が苦手なので……(それなら何故書いたのか)。

それから悩みました。
どんな風に『鬼』である秋人と、美冬の物語を書くのか。
手探りで、美冬に会いに行きながら彼女のことを追想する、そんなシーンを先に書きました。
書きつつ鬼の設定を詰めます。どうしても秋人を吸血鬼にはしたくなくて、生気を吸い取る鬼という設定にたどり着きました。

書く途中で、秋人の父が出てきました。『鬼』としての秋人の面を書くには必要な人です。
親父には助けられましたね。この人のおかげで、最後のレギュレーションはどうにかクリアできたので。
最後のところ難しいんですよ……。何せ「秋人から見えないところで見送る」なので。しかも、どうしても秋人の視点で終始書きたかったので。
本当に親父には助けられました。ものすごく感謝してます。親父いいやつです、冷たいと思われがちかもですが。

と、それは置いておいて。
筆致企画においては長すぎないことを常に目標にしているので、1万字以内が目標だったのですが、書き終えて超えてまして。これを短くにするのに一番時間がかかりました。
基本としては秋人と美冬の物語。そこに鬼の設定。
何が必要で要らないのか。改めてその取捨選択の練習になった気がします。

ラストは希望を感じさせつつも、完全なハッピーエンドにはしたくなかったのであの形にしました。
最近私の気分が落ち込んでるので明るい話が書けなかった、というのもありますが。ちなみに、書き終えたらさらに気分が沈みました(笑)。

後は、親父の台詞だけ漢字を多めに使うとか、細かな点に気をつけて書いています。
それと私は「おさななじみ」を「幼なじみ」と書いていますが、これは別に漢字の開きを意識したわけではなく「幼なじみ」表記が好きなんです。「幼馴染」ってなんだか固い感じがするので。好みの問題ですね。

とにかく今回のレギュレーションも難しく、皆さんの投稿ペースが早く、慌てながらもどうにか書けたのでほっとしています。
多分今まで一番苦労しました(前回もそう言っていた気がする)。
なんだかんだで、今までの筆致作品で、私はこの『雪を溶く熱』が気に入ってるかもしれません。苦労したので。

ちなみに私の『雪を溶く熱』は日本海側、北陸のイメージです。
なので、雪の描写はそれに合わせているつもりです。基本的に、北陸の雪は水分が多いのであんな感じです。サラサラとはあまりしてません。
書いているうちに、綺麗な雪の描写ではなく、汚れた雪の描写が多くなってしまいましたが、物語の雰囲気に合っているのでこれでよしとします。
ゆあんさんの想定する雪の描写からは、外れてそうですが……。

長くなりそうなので、ここまでにします。
暗めですし長めでありながら、本作品を読んで下さった方、本当にありがとうございます!

今回は都合上、他の方のほとんど読めないと思いますが、できるだけ読めたらないいなと思っています。

では、これにて。

4件のコメント

  • 泡沫さま

    いや、素晴らしかったです。キレ味ナンバーワンですね。
    実は私は重い雪じゃなくて乾いた雪を書きたかったんで作品舞台をあえて少しいじったんですよ。またお手すきの時に読んでみてください。
  • あとがきが読めて、うれしいです(o^^o)

    >何が必要で要らないのか。改めてその取捨選択の練習になった気がします。

    なるほど!すごく研ぎ澄まされた文章だと思ったんです。親父のコートはその代表ですが、全体にそういうところがあって、これはすごいと。短歌や俳句みたいに、少ない文字の中から情景が浮かび上がってくる、みたいな。こういう書き方に気づかせていただけて感謝です。

    >ちなみに私の『雪を溶く熱』は日本海側、北陸のイメージです。

    物語にとても合っていたのでわざとそうしているのかと思いました。
    私はそれをねらったお天気で書いたもので(笑)

    すっかりハマりました。3回目を読んだあと、これを書くためにさらに流し読み。時々読んで、涙のデトックスしたいな〜と思います。
    ありがとうございました〜(≧∇≦)
  • ゆうすけ様


    あとがきも読んで下さりありがとうございます。
    素晴らしかったという感想、本当に嬉しいです。

    乾いた雪を書くために作品舞台をいじったとのことですが、どんな作品なのかとても気になります……!
    今回は企画期間が長いようですし、暇を見て読みにいければと思います。
  • すみれ様


    あとがきにも目を通して下さり、ありがとうございます。

    <すごく研ぎ澄まされた文章だと思ったんです。

    まだまだ自分の文章には自信がないので、そう言って下さると嬉しくなりますね。一文ごとの文字数が少なめなのも、一文が長くなると文章が崩れやすくなるからだったりします。

    <物語にとても合っていたのでわざとそうしているのかと思いました。

    北陸のイメージで書いたのは、物語に合わせるというのもありますが、一番の理由は、私が北陸の冬を体験したことがあるからです。やはり経験したものの方が書きやすいので。

    何回も読んで下さっているようで、こちらこそ本当にありがとうございます。
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