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「牛鬼と濡女」あとがき

こんにちは、こむらまことです。「牛鬼と濡女」を書き終えた実感が未だに湧かずにいるところです。


まずは、いつも読んでくださってる皆さまにお礼を申し上げます。今まで以上に不定期で当初の予定より大幅に文字数と時間をかけてしまいましたが、今までで一番、読者の皆さまの存在に助けられた回でもありました。皆さんのお陰で、多少は真人間に近付けた気もします。

当初は全8回+プロローグとエピローグの予定でしたが、海異対の全員に見せ場を作った上で重大設定も明かすとなるとそんなもんで終わるはずもなく、結果、〈十二〉までやることとなりました。あれでも、極力無駄を削ぎ落としてギュッと詰め込んであるんですよ……

約36万字かけて、読者に示すべき必要最低限の要素をひとまず出し尽くせたかなというところです。web小説に求められるスピーディさとはつくづく真逆ですね、はい。


さて、「ハクモクレンの約束」と「牛鬼と濡女」では、戦争と犯罪という人間社会の暗黒面を描き出しました。それまでとは雰囲気がかなり変わって戸惑った方もいるかと思いますが、このタイミングでこういう話をやろうというのは初期の構想段階から決めていたことです。

「うみコト!」の世界は善男善女しかいない、もしくは登場しない「優しい世界」かというと全然そんなことはなくてですね、それを「牛鬼と濡女」でここぞとばかりに一気に放出させていただいた感じです。
それじゃあ、どうしてそんな構成や設定にしているのかということについてですが……それは、作者があまり書きすぎるのも良くないと思うので、皆さんでお好きなように考えてもらえたらと思います。

ただ、今回のエピソードを踏まえた上で今までのエピソードを振り返ると、また違った印象を受けるかもしれませんね(特に犬吠埼沖糧食盗難事件とか)。


最後に、菊池明について少しだけ。
実は、彼のキャラ形成にあたって意識している作品、キャラがいます。
それは梶尾真治氏の「まろうどエマノン」収録の「かりそめエマノン」に登場する荏口拓麻です。本当は今の段階では明かすつもりは無かったのですが、〈十一〉を書いていて、これは少しじゃなくてかなり影響を受けてるなと思ったので、きちんとここで書いておくことにしました。
エマノンシリーズ面白いので、気になった方は是非とも読んでみてください。


もう本当に、こんな尖りまくった妄想の塊を貴重な時間を割いて読んでいただけることには感謝しかありません。今後とも「うみコト!」をよろしくお願いいたします!!

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